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編集時の画像認証入力等、atwikiは編集しづらいとのメッセージをいくつか頂いたので、 最も一般的なpukiwiki形式のレンタルwikiに移転してみました。 不具合等有りましたらまたお知らせください。 http //masterwiki.net/2ch_ff13/ このサイトは2ちゃんねるのFF・DQ板FINAL FANTASY XIIIスレッドのまとめwikiです。編集法をご存じの方は情報の補完にご協力下さい。編集法が分からないという方は各自サイトをご覧下さい。 質問は2chの質問スレで! FF13質問スレ タイトル FINAL FANTASY XIII(ファイナルファンタジー13) ジャンル RPG 機種 プレイステーション3(PS3) 発売日 2009年12月17日 値段(税込) 9,240円 公式サイト http //www.square-enix.co.jp/fabula/ff13/
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分類 キャラスレ民 【アリス厨】 孤独人じゃない方のアリス厨。 「アリスちゃん」と呼んだり「アリス」と呼んだりと、あまり呼び方が定まっていない。 【アリス厨(ぼっち)】 ぼっちアリスネタを軸にする。 スレを建てたり文章を使ってぼっちアリスというものを(結果として)浸透させようとしている。
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アリスソフトは、株式会社チャンピオンソフトのアダルトゲームブランドである。 アダルトゲームの創生期から存在し現存している数少ない会社で、1980年代はパソコンショップ高知(PSK)やジャストなどとともに業界を盛り上げた。 1990年代には『東のエルフ、西のアリス』と謳われた程に、アダルトゲーム業界およびその流通分野の中でも特別視された存在であり、その後のブランド乱立と消長盛衰の著しいこの業界の現状下にあっても業界のフロンティアとしてなお一際強い別格の存在感を保ち続けている。 ハードディスクへの本格的な対応、PC-9801からWindows OSへの本格的な切り換え、低価格路線など、アリスソフトがアダルトゲーム業界における事実上の先駆者となり、その後業界が追随したものも少なくない。 設立時は『チャンピオンソフト』名義でゲームを発売していたが、昭和から平成へ時代が変わるのを機に『アリスソフト』ブランドを発足。 現在は『チャンピオンソフト』名義ではゲームソフトは発売していない。 後には姉妹ブランドの女性向けボーイズラブゲームブランドAlice Blueも立ち上げたが、現在は休止中。 ニコニコRPGではアトラク=ナクアや零式からBGMが使用されている。 零式からは1話や27・28話のような街中のBGMとして「The 1st Stage」のアレンジが採用されており、アトラク=ナクアからは18話や31話における魔王アナゴ登場時のBGM「Throwing into the banquet」及び、32話Bpartでアナゴが力を解放した際のBGM「Atlach nacha~Going on~」が使用されている。 なお、32話Bpartでのアナゴ戦では、「Throwing into the banquet」のアレンジが戦闘BGMとして使われている。
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「なぁアリス、オバケが苦手な魔法使いってありかよ?」 「五月蝿いわね!オバケが怖いんじゃなくて正体が解からないから怖いのよっ!」 「だいたい魔法使いも妖怪の一種だろうが、お前はなに怖がってんだ」 「誰が妖怪よ、魔法使いって言うのはね人間から進化した優性種族で「長い話は勘弁」 「久方ぶりにアリスのほうからデートの誘いかと思えば山菜とったりトカゲやらヤモリやらコウモリやらを捕まえて一日終了おーあーるぜっと」 「おーあーるぜっと?」 「気にスンナ」 「・・・別にいいでしょ!○○と出掛けたかったけど何処に行っていいか解からなかったんだもの」 アリスの瞳から涙がぽろぽろとこぼれ始めた 「ちょアリス!泣くなって!何だかんだ言って俺もお前と一緒に入れて楽しかったし!お前となら何処行ってもからさ!」 「○○・・・ごめんなさい、私ったら・・・ごめんなさい」 「謝るなって、俺はお前に笑ってて欲しいから、さ」 「莫迦、面と向かってよくそんなセリフが言えるわね」 アリスは照れたのか○○から顔を背け俯いた 「帰ろうか、もう日が暮れる」 「その・・・泊まっていく?」 「ああ、もちろん」 アリスと○○の数十m背後 「なぁ霊夢、俺の場合は久しぶりのデートが友人カップルの尾行だったんだが」 「何よ、何か文句あるの?」 「いや・・・あいつら見てたら俺らもイチャイチャしたくなった」 「あいつらも帰るみたいだし私たちも帰ろっか・・・泊まっていくでしょ?」 「うへへーお言葉に甘えさせてもらいます」 「じゃあ夕飯はお願いね」 「うむ、腕によりをかけて作るぞー」 「はいはい」 霊夢達の後方上空 「あー私もお相手が欲しいぜー恋は火力か?」 魔理沙にはまだ春は来ないらしい 8スレ目 49 ─────────────────────────────────────────────────────────── 壮年の男は困った顔で辺りを見回す。 「こんな辺鄙な場所での待ち合わせだ。何かあるとは思っていたがね」 まばらに生えた薄気味悪い樹木と、明らかな敵意を見せた無数の人形達。 自分がどうしてこんな状況に立たされているのかを男は理解できず、近年めっきり薄くなってきた頭に手をやり、はてと呟く。 「私は何か君を怒らせるような真似を仕出かしただろうか」 緩やかに波打つ金の髪に冷たく青い瞳を覗かせ、この場の全てを掌握した若く美しい少女は、陣取った人形達の中心で素っ気なく答えた。 「私の知る限り、そんな事はなかったと思うけど」 それと聞いて男は暢気にも表情を綻ばせる。 「今日は貴方にお願いがあって来たの」 「ふむ。それは何だろう」 一見すれば親と子ほどは年が離れているように見えるが、実際には少女のほうが遥かに長い時を生きている。 彼らのいる世界においては、それも珍しい事ではなかった。 だから、それは事此処においてのみ日常であることを赦される―― 「死んでくれる?」 無表情のまま少女は言い放つ。 外見相応の落ち着きを持ち合わせた男はすぐに返事を返さず、言葉をよく吟味した上で尋ねた。 「何故かな」 「分かり切っていた事だけど」少女は僅かに目を細める。「私と貴方では流れる時の速さが違いすぎていたわ」 「そうだね。昔から分かり切っていた事だ」 乾き擦り切れた掌を眺め、その掌で男は自らの顔を確認するように何度か触る。 「老いた私は嫌いかい?」 「いいえ。私の気持ちは変わらない」 「老いた私は醜いかい?」 「いいえ。今の貴方も充分素敵だわ」 「では何故私は殺されるんだい」 「この先も素敵なままでいられる保障はないから、かしら」 「鉄は熱いうちに打て、か」 「もうとっくに冷めてるわよ」 「相変わらず手厳しいな」 「私は貴方と初めて会った時から変わってないもの」 「成る程。変わってしまったのは確かに私の方らしい」 男は遠い目となって視線を彷徨わせるが、すぐに少女の声が彼を現実に引き戻した。 「逃げないの?」 「馬鹿言え」突如男の口調が変わる。「好きな奴の前ぐらいイイ格好してみせたいだろ」 そして目を丸くした少女に悪戯小僧じみた、外見に似合わない笑みを向けた。 「最後になるなら尚更だな」 何も言えずに立ち尽くす少女に、男はおどけた様子で語る。 「家に帰る途中、足を踏み外したかと思ったらいきなり黴臭い土の上にダイブしたんだよな。波乱の人生のスタートだった」 「あの時は本当に驚いたわ」少女も楽しげに言う。「いきなり目の前に、変な格好の人間が落ちてきたんだもの」 「それからお前の家で幻想郷の話を聞いて、魔法を馬鹿にして人形の材料にされかけた」 「ええ。それから博麗神社に行って霊夢と魔理沙と会ったのよ。あの時のこと覚えてる?」 「覚えてない。無理やり箒に乗せられて気絶してたから全く覚えてない!」 「あれは傑作だったわね。それから新入り歓迎会とか尤もらしい理由をつけて宴会になった」 「次にあったのは俺の誕生日か。小さな上海人形のお守りを貰った」 「その次に開かれたのが私の誕生日。プレゼントされたのは小さな小さなオニキスのアクセサリ」 「あれでも精一杯努力したんだぞ?」男が情けない声を上げる。「ヤスリ掛けで手の皮がボロボロになった」 「あの時も一言一句同じ台詞を聞いた気がするわ」 堪えかねた様子で少女が笑う。男は憮然とした様子で見ていたが、やがて自らも過去を懐かしんで笑った。 「幻想郷に来たのも、もう二十年以上も前になるんだな」 「私にとってすれば二十年なんて感慨すら湧かない、束の間の一時だけどね」 男はふと思いついたように少女へ尋ねた。 「俺は人形達の仲間入りするのか?」 「人形に魂を固着させる事は不可能じゃないけど」少女は首を振る。「輪廻の輪から外れる恐れがあるわ」 「そうか。詳しい事は分からないけど、お前がそう判断したならいいや」 知識に乏しい己を恥じるように男が苦笑し、その反応が気に入らなかったのか今度は少女が質問を返す。 「怖くないの?」 「怖いよ」男は震える腕を掲げてみせる。「でも逃げ出して今更一人寂しく暮らすのもちょっと、なぁ」 「いつからそんな弱虫になったのかしらね」 くすくすと上品な仕草で少女は笑った。 やがて、指の鳴る音で人形たちは左右へと別れ、男と少女の間に一本の道が出来上がる。 手入れの行き届いたナイフを抜き、少女は男の元へゆっくりと歩み寄る。 識者が見ればモーセのような光景だ、などと喩えたかもしれないが浅学なこの男では及びもつかず、ただ鈍い光に息を飲む。 「意地を張らなくてもいいのに」 「お前もなー」 明るく振舞ったところで隠しようもなく、男の声も震えていた。 「泣くなよ」 「泣くわけないでしょ、そっちの方じゃない」 「たまには認めろ意地っ張り」 「認めるも何も、気のせいよ」 「本当に面倒くさい奴だな」 「あんたに言われちゃおしまいね」 一度だけ、どちらからともなく抱き合う。 「ごめんなさい。私は魔法使いとしてしか、貴方を愛していられなかった」 「種族なんて関係ない。今でもお前を好きになったのは間違いじゃないと思ってる。今までありがとう、アリス――」 瞬間、男の表情が歪んだ。 「昔、本で目にした通りだったよ」血を吐きながら笑う姿は凄絶で、しかしどこか哀れだった。「死に様を選べるってのは贅沢だ」 「その話は初耳だわ。ねえ、その本の題名は?」 男は何も言わない。 少女は血溜りの上で、亡骸を抱いたままいつまでも答えを待った。 事此処においてのみ日常であることを赦される、ありふれた恋の話。 ※オニキスの和名はメノウ。日本でもたまーに落ちてます。 8スレ目 62・63・64 ─────────────────────────────────────────────────────────── 第一話 挑戦 アリスとの戦い~序章~ アリス「わ…私ね……」 (がんばれ……がんばるのよ 私! 今日こそ告白するのよ!) ○○「うん…」 アリス「あ…あなたが……」 (あともう少し! もう少しよ! がんばって私!) ○○「あ…ああ……」 アリス「あ……あなたがすごく強いって聞いたのよ! だから勝負を挑むわ!!」 (……え? 私何言って…) ○○「は?」 アリス「そうね……私と、私の人形をすべて倒すことができたら 何でも言うことを聞いてあげる。」 (な、何言ってるのよ私! 違う違う! そんなことが言いたいんじゃないんだってばぁぁ!) ○○「ちょ……ちょっと待て! 弾幕もスペカも使えない俺がおまえの人形に勝てるわけないだろ!! ってか、俺が強いとか誰から聞いたんだよ!!」 アリス「だ、誰でもいいでしょ! それに弾幕やスペカ使えないくらいで なに怖気づいてるの!? 弱虫!」 (ば…バカぁ!! 私ってば○○になんてひどいこと言ってるの!! ) ○○「っ! ……ああ、そうかよ……」 アリス「悔しかったら、私たちを倒して 強いってことを証明してみせたらいいじゃない。」 (ああ……言うに事欠いて私なんてことを。これじゃ、私 ただの嫌な女みたいじゃない……) ○○「わかったよ! おまえとおまえの人形、絶対に倒してやるからな! ぜってー言うこと聞かせてやる!!」 アリス「ふふん、期待せずに待ってるわよ。」 (あーもう私のバカバカぁ!! どうして素直に「好き。」って言えないのよぉ……) つづくのかー 最終話 希望を胸に アリスの不器用な片思いを終わらせる時…! ○○「チクショオオオオ! くらえ仏蘭西人形! 相手は死ぬ 新必殺「エターナルフォースブリザード」ォォッ!!」 仏蘭西人形「サア来イ○○! 私ハ 実ハ 一回凍ラサレタダケデ 死ヌヨォォ!」 ザンッ!! 仏蘭西人形「ウアアアァッ! コ…コノ 博愛ノ 仏蘭西人形ト 呼バレル 私ガ…コンナ 普通ノ 男ニ…バ…バカナアアアアアア」 ドドドドド…… 仏蘭西人形「ウアアアア」 上海人形「仏蘭西人形ガ ヤラレタ ヨウネー」 蓬莱人形「フフフ…奴ハ アリスノ 人形ノ 中デモ 最モ 二人ノ恋路ヲ応援シテル…」 上海人形「主ノ 恋路ノタメニ 負ケタフリ スルナンテー 人形ノ 鏡ヨー 」 ○○「くらええええ!」 ズサッ! 上海人形「シャンハーイ!」 蓬莱人形「ホラーイ!」 ○○「やった…ついにすべての人形を倒したぞ…これでアリスのいる家の扉が開かれる!!」 アリス「よ、よく来たわね○○…べ、別に待ってなんてなかったけど!」 (き、来た……! 落ち着いて、落ち着きなさい私! 今日こそ絶対に……) ギイイイイイイ ○○「こ…ここがアリスの部屋か…! 感じる…アリスの魔力を…」 アリス「○○…戦う前に一つ言っておくことがあるわ。あなたは私を倒すのにはまず“弾幕”が必要だと思っているようだけれど…べ、別になくても私はあなたのことが……」 (大丈夫だから落ち着いて私……お風呂に入って身体は奇麗にしたし、一番かわいい下着も選んだし……) ○○「な 何だって? 最後のところ 聞こえなかったぞ!」 アリス「で、でね……あなたが強くなるのを待てなかったから、『誰でも使えるインスタントスペカ(香霖堂にて絶賛販売中!)』があなたの手に渡るように仕向けたの……あとは、私を(ゴニョゴニョ)……」 (ああ…もう、恥ずかしいよぉ……好きって一言がうまく伝えられない……どうしよう……) ゴゴゴゴ ○○「フ…何を言ってるのか まるで聞き取れなかったが 上等だ…オレも一つ言っておくことがある。このオレがおまえを倒せば、何でも ひとつだけ言うことを聞いてくれるらしいが……お前さえよければ…俺とずっと一緒にいてほしい。」 アリス「えっ……」 (じ、じゃあ○○も私のこと……) ○○「だーっ!! もう、恥ずかしいから いちいち反応するな!! ウオオオオいくぞオオオ!!」 アリス「さ…さあ、来なさい○○!!」 (あ……あなたが私を倒せたら……その時は私も……) ○○の告白が アリスを素直にさせると信じて…! ご愛読ありがとうございました! 8スレ目 106・110 ─────────────────────────────────────────────────────────── 幻想郷のみんなが大好きだ! だが、愛してると言えるのは君だけだ!アリス! 8スレ目 298 ─────────────────────────────────────────────────────────── ガチャ ○「アリスただいまー」 ア「…………」 ○「アリスー?」 ア「…………」 ○「どうしたんだよ、あれか?遅くなったのに腹立ててるのか? そんなに遅くなった覚えはないんだけどな」 ダキッ! ○「うぉ!?」 ア「……あの女の人誰よ」 ○「は?あの女の人?」」 ア「里で仲良さそうに喋ってたじゃない」 ○(見てたのかよ……)「いつもよく行く雑貨屋の店員さんだよ、別に特別なかが良いって訳じゃないぞ」 ア「…………本当?」 ○「本当だって、俺はアリス以外を愛する気はないぞ 信じろよ、それともアリスは俺が信じられないか?」 ア「そんなことない!ないけど、いつか○○が居なくなってしまうことを考えると不安なのよ 私は、私は○○が居ないといや、それこそ生きていられないぐらい だからずっと、ずっと一緒に居て、そのためなら私はなんでもするから お願い○○一生私のそばに居て私のことを想って」 ○「ああ、絶対に一緒に居てやるよ約束だ」 8スレ目 299 ─────────────────────────────────────────────────────────── アリス 「他の奴に本当の○○の姿は見せてあげない・・・私といるときだけ人形から開放してあげる」 8スレ目 318 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ねぇ、上海聞いてくれる? 私たぶん頭がおかしいんだわ。 私ね○○のことが大好きなの。でもあなた達人形のことも同じくらい大好きなの。 あぁ……○○があなた達みたいな人形で、自分の意思をもっていたらどんなに嬉しいかしら。 ……最低ね私って…… こんなこと誰にも言っちゃダメよ上海。魔理沙や霊夢、それに他のみんなに聞かれたら私きっと生きていけないもの。 もしも立ち聞きしてるやつがいたら…… そいつを道ずれにして、私も死ぬわ。 立ち聞きしてるのが○○だったら……ふふ……一石二鳥よね」 8スレ目 341 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「今日は七夕か・・・」 誰と過ごそうかな 霊夢 魔理沙 →アリス 七夕・・・織姫と彦星が年に一度会える日 「ようアリス!七夕だから遊びに来た」 「唐突ね、しかも・・・笹?」 「YES!これに短冊を吊るそう!」 ○○は館の裏の地面に笹を深く突き刺して固定した それにアリスが書いた短冊を吊り下げる 「なんて書いたんだ?」 短冊を吊るすアリスに声をかけた、だが返事は返ってこない 「アリス?」 「五月蝿いわね、私の願いなんてどうだっていいじゃない?」 仕方ないので自分の短冊を書くことにした 「なんて書いてるの?」 「俺の短冊なんてどうでもいいだろ?」 「よくないわよ、見せてよ」 「む・・・じゃあアリスの短冊を見せてくれたらいいぜ」 アリスは言いよどんで、自分の短冊を懐にしまった 「アリス、短冊は下げないと意味ないぞ?」 「わ、わかってる!見たら怒るからね!」 俺とは反対方向に短冊を下げたらしい 俺も自分の短冊を下げる・・・?ふと気付いた 「なぁアリス、笹に下げるのは短冊だけだぞ」 「なによ」 「人形を下げるんじゃない、なんか・・・首吊りみたいだから全部おろしなさい」 文句を言いつつもアリスは人形をおろしました 「愛する女性と一緒にいたい?」 「うわ、バカ!読むな、声に出すな!」 「ねぇ○○、この女性って誰よ」 うわーアリスさん、露骨に不機嫌な顔はやめてください、怖いッス 「べ、別に誰だっていいだろ」 「答えてよ、誰なの?」 じっと俺の眼を見てくる、真剣、彼女の眼はとても真剣だ これに答えないことは俺には無理だ 「お、おまえ」 「私が?」 「お前の・・・事だよ」 ああもう恥ずかしい、笑われたり拒絶されたりするのが怖い、でも今はそれ以上に恥ずかしい 「わ、たし?え・・・えぇぇぇぇ!??」 真っ赤になって腕を振りながら「そういうのは結婚してから」とか「いや、私だって○○はそのええとだから」とか 「アリス!とりあえず落ち着いて聞いてくれないか」 「う、うん、わかった」 息を吐いて、呼吸を整えて、さぁ言うぞ! 「ずっと言えなかった、お前との関係を壊すのが怖かった、でも言う、俺はお前が好きだ、愛してる」 言った、へんな達成感に浸っていると手を、アリスに手を引かれた 「こっち、これ、この短冊を・・・読んでみて」 俺の短冊とは反対側に吊るされた短冊、アリスの短冊 ○○が私の事を好きになってくれますように― 「アリス、これはその・・・OKって事でいいんだよな?」 「織姫と彦星も気が早いわね、もう願いがかなっちゃったわ」 そういいながらアリスは泣いていた、俺はたまらず彼女を抱きしめた ああ、最高の七夕だ、俺はこの年の七夕を一生忘れないだろう、一生な 8スレ目 367 ─────────────────────────────────────────────────────────── 夏祭り。それは男女にとって、大きな一歩を踏み出せる素敵な時間っ! いつもはちょっと奥手なあの子も、少しだけ大胆になれるイベントなのさっ!! ……と、思うのは参加者側。そんな人たちを楽しませる裏方に、そんな余裕はない。 「なぁ、アリス…人形劇も少し休みにして遊ばな――」 「ダメ、これも研究の一環なのよ」 気持ちはわかる。 銀髪の見知らぬきれいな女性は、ヒロインの恋人が戦場で先立ってしまう場面でボロ泣きしていたし、上白沢先生は、ヒロインの子供が父親の意志を受け継ぐ場面で目を輝かせていた 人形のモデルに事欠かないのだ、祭りは。 ま、アリスと過ごす夏祭りはいつもこんなもんだ。 生き生きしているアリスを見るのは嬉しいし、可愛いと思うが淋しい気持ちも当然ある。 具体的にいうと男のロマンって奴だ。 今日は上白沢先生でさえ、彼氏連れで浴衣だったんだぞ?俺だってアリスの浴衣姿が見たいさ畜生! …今年の夏祭りも、こうやって穏やかに淋しく終わる。そう思っていた 「ねぇ〇〇、この後時間ある?」 あります!ありますともっ!邪魔する奴がいたら、上海にブチ抜いてもらうぞこのヤロウ! …とは叫ばずに「あいてるよ」とだけ答えた。 「だったら、少しつきあって」 人形に囲まれながら、着いたのは魔法の森の外れだった。 「アリス…?これは…」 アリスは人形を散開させた。 「プレゼントよ、受け取って」 周囲の空気が一変する。それは「夏祭り」 アリスの人形達が、夏祭りをはじめたのだ! 「ほら、いつも付き合わせちゃって悪いと思ってたから……〇〇のためだけにお祭りを開いてみたの。ここでの主役は〇〇と私、二人だけよ」 その時のアリスは、優しく、我儘で、自信に満ちていた。 「それじゃ、アリス。いこうか」 アリスと腕を組みながら、俺はアリスの箱庭に包まれていった 8スレ目 576・578・580 ─────────────────────────────────────────────────────────── ・・・今日俺は山篭り最終日だったはずだった 「ここはどこだ」 霧に入ったのが誤算だった、完全に自分の居場所を見失っていた 仕方なく歩く、森の中は日が差し込んでいるにも拘らず、陰鬱だ 「視線?見られて・・・」 少し歩を早めた、数分歩くとすぐに森は開けた 「神社?」 立派・・・とは言いがたいがなかなかの神社だ 神社で地名がわかるかもと思い、鳥居を見て 「博霊・・・博霊!?」 驚くのも無理はない、先ほど数時間前まで寝床にしていた神社と同じ名前 しかし外装も、周りの風景も全く違う 苔むした石畳と欠けた狛犬、今にも崩れそうな神社だったはず 「狐か?でもお稲荷さんじゃ無いんだよな」 きっとあの神社は古くて山奥だから立て替えたんだ、山奥過ぎて取り壊しもされてないだけだ という事は町が近いかもしれない 「あら、どちら様かしら?」 声をかけられて・・・ 振り返ると金髪少女、外人だ?・・・人形?人形が浮いt 「こ、こんにちはお嬢さん」 人形が浮いてる!?? 人形が浮いてることで頭がいっぱいです 「・・・外の人間ね、迷い込んだの?」 人形が(ry 「ん?上海が気になる?そうよね」 人形が挨拶してます←壊れ気味 「こんにちは、ずいぶんと可愛らしい」 脊髄反射で物言ってます 「霊夢は留守みたいだし・・・貴方を放っておく訳にも行かないし」 人形かわいいな、よく見りゃこの娘も相当可愛い、絵になるなぁ 「とりあえずうちに来なさい、いろいろと教えてあげる」 「え、あ、ありがとう」 「私はアリス、アリス・マーガトロイドよ、貴方は?」 「俺は○○、○○って読んでください」 これが俺と人形遣いアリスの出会いだった 8スレ目 781 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「さぁ上がって」 「おじゃま・・・します」 アリスさんの家は一言でいうなれば人形館、というかそれ以外に表現が出来ない 人形7本3ぐらいの割合だなこりゃ 「紅茶でいい?」 「あ、はい」 うーむ、アップルチー 「・・・色々と話してあげましょうか、この世界と、貴方が置かれた状況を」 息を呑む、俺だって訳のわからんふぁんたじぃの世界に来てしまったらしいのは解かる これでも熊倒せんだぜ?スラ○ムとかド○キーとかゴール○マンぐらいなら倒せる自身はある、鋼の剣あるなら 「まず此処は幻想郷といって~」 ~少女説明中~ 「つまり・・・このままこの世界にいれば妖怪に食われる確立大、と?」 「正解、人間がちょっと訓練したぐらいで勝てるものじゃ無いわ、妖怪を甘く見ないほうがいいわ」 そりゃ俺だってぬりかべやら土蜘蛛やら夜叉やら見たいなのは勘弁、でも・・・俺だって逃げるぐらいは 「けどアリスさんだってこの世界でやっていけてるみたいじゃ無いですか」 彼女は物騒なこの世界で長く暮らしているみたいだし、それなら俺だって 「私は人間じゃ無いもの、貴方より年もとってる」 HAHAHA何を言ってるんですか、どっからどう見ても人間ですって 「・・・私は魔法使いよ?妖怪と大差ないわ」 魔法使いって言うと世界に5人のあれ?時間を越えたり時を止めたり無限の魔力(ry 「そんな莫迦な、魔法だなんて」 ひゅん―ボッ 俺の頬を光弾が掠めた、椅子の背凭れが、欠けた 「なっ!?」 「解った?こんな為りでも立派に魔法使いしてるわけ」 そういえばさっきから2~3体の人形がお茶を運んだりしてるのは魔法なの? 「安心して、魔法使いの主食は人間じゃ無いから、それに食べるつもりなら出会った時に食べてるわ」 いや、もう何かね、よく解らんよ 「向こうに帰るの?それともこっちに居たいの?」 「さ、流石に自殺願望はないですよ」 「そう・・・もったいないわね、向こうより此方がどれだけ素晴しい世界かわかってないみたい、もったいないわ」 「・・・」 「一週間ぐらい過ごしてみなさいよ、この世界を気に入ると思うけど?」 「でも・・・」 いやいや、一週間あれば死ぬんじゃない?熊は倒せたけど妖怪はそもそも倒せるやら 「一週間ぐらい守ってあげる、それでいいでしょ?」 「けど・・・迷惑じゃ無いですか?」 「迷惑ならこんな事言い出さないわ」 いや尤も 俺も向こうに肉親がいるわけでもなし、友人知人はいっぱい居るけど・・・ 「それじゃあ・・・宜しくお願いします」 「ええ、宜しく」 私と、○○の奇妙な同居生活の始まりだった 「珍しいじゃ無い、他人嫌いのあんたが積極的にねぇ」 「五月蝿いわよ霊夢、ただの気まぐれよ」 鳥居の元で立ち話、霊夢は嬉しそうというより楽しそうだ 「一目惚れ?アリスのすみにおけないわねー」 「だから違うってば!」 「それで、その彼は何処?」 「里に買い物に行ったわ」 「一人で大丈夫?何にも解ってないんじゃない?」 「上海と蓬莱が憑いてるから大丈夫よ」 「そーかそーか、二人のご主人様は優しいんだな」 人形と話す大男、怪しすぎるぞ○○ 「ふんふん、そっかー霊夢と魔理沙とパチュリーか、ご主人様は友達三人か」 「ごめんごめん、君たちがいっぱい居るんだね、アリスさんは幸せ者だね」 完璧に独り言です、里の人がめっちゃ見てますよ、気付いてください 「さて、帰ろうか」 それが、俺の短い幻想郷生活の始まりだと、思っていた― 8スレ目 787 ─────────────────────────────────────────────────────────── そいつの第一印象は「失礼な奴」だった 人形劇もみない、話し掛けても返事すらしないとくれば無理もないだろう だから、弟子入りを希望してきたときは軽く嫌がらせして追い返す算段だった 「貴方、才能ないわよ」 何度この言葉を繰り返しただろうか それに対する彼の返事はいつも「彼女に届くにはこれしかないんだ」と、愚直に繰り返した その一途で、揺るぎない彼に心惹かれたのはいつからだったのだろう? 同時に、惹かれれば惹かれるほど彼の心に私はいないと思い知らされた ねぇ、貴方の幸せな彼女は、私の不幸も持ち去ってくれるの? 8スレ目 833 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「アリス!待て!俺の話を」 「嫌よ!聞きたくない!!」 俺の話を頑なに聞こうとしないアリス 話を聞かせる為にアリスを追い掛け回す俺 「知ってるんだから!此処を出て行くんでしょう!?嫌よ!そんなの・・・いや」 「アリス・・・大事な話なんだ、聞いてくれ」 「ぐすっ・・・なによ」 「先月初め、お前が怪我して帰ってきたときに思った、お前に守られてばかりじゃ駄目だって・・・だから俺、強くなりたい、1年、1年したら帰ってくる」 アリスを守りたい、傷つくところを見たくない、そして俺はあまりにも無力だ 「なんで!?私は彼方に傍に居て欲しいの!それだけなのに」 「・・・明日には出るよ、・・・ゴメン」 「ばか」 泣き続けるアリスをあやす様に、抱きしめていた 「それじゃ・・・行ってくる」 「・・・必ず、必ず帰ってきてね」 「当たり前だろ、お前も、俺を待っててくれよ」 「当たり前じゃ無い、ばか」 「アリス・・・俺が帰ったらお前に言いたい事が、伝えたい気持ちがある」 「?」 「行ってくるよ、じゃあな」 「うん、行ってらっしゃい○○、待ってるから」 そうして俺は幻想郷を去った あれからもう9ヶ月、あと少しでアリスのところへ帰れる 「どうした○○、ボーっとして」 「師匠・・・ここに来る前のことを」 「どうせコレのことだろ」 ニヤニヤしながら小指を立ててみせる 「ははは・・・おれ、この修行が終わって「家」に帰ったら、結婚しようと思うんです」 「ほう、それはそれは、式には呼べよ」 「はい!それはもちろん」 「それじゃあ再開しようか、まずは・・・」 「あの人が出て行って9ヶ月・・・今頃何してるんだろう、さびしいな」 少女の独り言は、秋の空に呑まれた 8スレ目 838 ─────────────────────────────────────────────────────────── なぁ、アリス。その人形…… 「試験的に作ってみたの。 弾幕の代わりに金属バットを振り回して、相手の弾幕を打ち返したり僕[ピー]するのよ」 弾幕ごっこのルールに引っ掛からないか? 「大丈夫。この子が弾幕だから」 見た目、俺に似せる事はないんじゃないか? 「なっ―― 似せたつもりなんてないわよ! 何勘違いして…」 む。俺の名前だ 「ちょっと?! 勝手に見ないでよ!!」 まぁ、いいか アリス。大好きだ 「え」 君への愛に関しては誰にも負けない自信がある 「私も……」 なに? 「私も好きだって言ったのよ、このバカ!」 9スレ目 176 ─────────────────────────────────────────────────────────── 俺がいつもの如くアリスの家に遊びに行こうとした所、アリスが玄関前で( A`)になってた。 「うぉっ!?どうしたアリス?」 というかこれはアリスなのだろうか。 「はぁ。やっぱりとは思ったけど、無いわねぇ・・・。手紙」 「手紙?」 手紙って、あのletterか? 「ええ、私、手紙を貰ったことが無いのよねぇ。それでいてきっちり毎日郵便受けを見に来る私が嫌になっちゃう。どうせ来ないのに・・・。」 どうせ来ないと分かっててくるとは律儀な奴だと思うが・・・。というか来そうな時でも俺は確認忘れるし・・ 「一度も無いのか?手紙貰ったこと。」 「ええ、一度も無いわ。まいいわ。暗い話はこれだけで、入ってく?紅茶ぐらいなら出すわよ?」 「ああ、その事だが、ちょっと用事を思い出してな。すまんが今日は帰らせて頂くよ。」 「あら、それは残念。じゃあまたね。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 俺は家に帰るや否や、行動に出た。何をしたかって?それは言えないな。 ともかく、俺はその仕事を終えた。そして、玄関の外に出る。そして大声で叫んだ。言葉が森にこだまする。俺がアリス以外に知っている人なんてこの人くらいしか居ないしなぁ。残念だが。 「紫さーん?居るんでしょう?出てきてくださいなー」 「マジカルゆかりん登場♪」 ・・・・・・・。すいません硬直してました。というか首だけ出すの自重してください。 「あら、私が若く無いって言うの?これでも一応少女よ?」 「一応は、自称では無いんですね・・」 「何か言った?」 「イエナニモ」 「で、私を呼ぶくらいだから、たいそうな理由があるんでしょうね?」 「はい。実は・・・・・」 「この手紙をアリスに届けて欲しいんです。」 「貴方が行けば?」 「手紙っていう物は、他の人に渡して貰うものですよ?」 「あら、面倒くさいわねぇ・・。まあいいわ。引き受けてあげる。じゃこれね。」 「はい。」 とりあえず手紙を渡そう。大丈夫だろうか? 「じゃ、他に頼みは無いのね。」 「はい。大丈夫です。」 「じゃ。」 紫さんはすっと消えなさった。スキマはすぐに閉じる。これで本当に良かったんだろうか。 深夜アリス宅。近頃魔法使いになったアリスは、未だに夜に睡眠を取る。普通は昼寝て寄る行動する物なのに・・・。人間の習慣ってすごいわね。 何はともあれ、これで朝まではばれないわ。 ガチャン。郵便受けに投下OK。と。 さて、藍の食事は出来たかしらねぇ?そろそろ戻らないと。 フフっ愛されちゃってるわねぇ・・。 「アリース・・・オキテー」 私が起きたら、そこは銀世界だったって事も無い。普通の日常。何故だろう。やっぱり郵便受けに行ってしまう。習慣って嫌ねぇ。 まあいいわ。今日一日は、とりあえず見に行きますか。 「あら?」 入ってる? 「これって・・・・」 ○○の? 短い文面だった。彼の汚い字を頑張って読んでみるとこうなった。 -よおアリス。手紙、送ったぞ? ○○- 「・・・・・・・」 まずい。私は、○○に恋してしまった。 あの馬鹿。人の気持ちも考えないで・・・。 11スレ目 172 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「愛してる」 物は試しと言ってみた時、作業に没入していたはずの彼女の体がびくりと動いた。 「痛っ! ああもう、だから私の邪魔しないでって言ってるでしょ!」 白く細い指に赤い玉が浮かんできた。 針を刺してしまったらしい。 「ごめん。今のは僕が全面的に悪い」 「……まぁ、いいけど。人間と違って、このぐらい痛くも痒くもないし……」 いつにも増してもごもごと呟く彼女のフランス人形のような顔にほんのり赤みがさして見えた。 「でも、もう変な事言わないでよね。集中できなくなっちゃう」 「分かってる。もう言わないよ、冗談なんて」 「冗、談?」 何故か彼女はひどく怖い顔になり、僕の背筋をうすら寒いものが通り抜けていった。 「この脳無し! あんたのせいで血が出たじゃない、どうしてくれるのよこの大馬鹿っ!」 「え。さっき大した事無いって許してくれたんじゃ」 「だんだん痛んできて許せなくなったのよ! どうするのよ、貴方が代わりにお洋服作ってくれるわけ!?」 僕は裁縫なんてやった事がないし、ましてや完成品が装飾鮮やかな人形用のドレスとあっちゃ尚更不可能だ。 顔を高潮させて怒る彼女を宥め、謝り、それから傷口を見せてもらおうと手を取った。 「……何だ、本当に大した事無い傷じゃないか」 「自分が原因のクセに――」 彼女の人差し指を口に咥える。 口に広がった血の味は、自分のものと何ら変わりない。 種族の違いなんて聞いてたほど大きくはないんじゃないか、そんな事をふと思った。 「へ、へ、へ、変態! この変態! 何考えてるのよっ!?」 怒髪天をつくというやつだろうか、物凄い罵倒を受けて彼女の指から口を離す。 「何って、消毒。いくら人間より頑丈だっていっても念を入れとくに越した事はないし」 「いくら消毒って言ったってねえ」 言いさした言葉を飲み込んだ彼女は、視線を泳がせたり髪を指で弄んだりと落ち着きがない。 こんな事をしたら激怒するかなと思ってはいたけど、余程腹に据えかねたのかもしれない。 「わ、分かったわよ。じゃあ」 顔をトマトのように真っ赤にした彼女は、口ごもりつつも、再び僕の顔の前へ人差し指を突き出してみせる。 「も、もうちょっと消毒しなさい。まだ少し痛いんだから。責任、取って」 「分かってる。今回は僕が悪いんだし、次は本格的にアルコールでも使って――」 痛むはずの右手から繰り出された一撃が無慈悲にも僕の意識を刈り取った。 10スレ目 368 ─────────────────────────────────────────────────────────── 彼が、帰ってきた。 いつしかいつも通りになっていた、嬉しそうな顔をして帰ってきた。 私がおかえり、と返してあげると彼は更に嬉しそうに頬を緩めた。 その笑顔が、辛かった。 最近、彼は魔理沙といる事が多い。 その時の彼の、笑顔。 私には一度も見せてくれなかった、とても楽しそうな表情。 私の前でも何度か見せてくれた笑顔。 でも、それは私に向けられた物ではなかった。 彼の目には、魔理沙しか映っていない。 もう、私は彼の視界には、映らない。 ある日、堪えかねた私は彼を問い詰めてみた。 本当は私ではなくて魔理沙が好きなのではないのか、と。 しかし、彼は首を横に振ってそんな事は無いと言った。 時間を置いて、同じ事を聞いても、彼は穏やかに笑ってその事を否定した。 なぜ。 どうして。 魔理沙に向ける顔はあんなに楽しそうなのに。 ――どうして、私に向ける笑顔はそんなに優しいの? 私が何度問い詰めても、彼はそんなことは無い、の一点張り。 仕方なく、私は最後の手段を使う事にした。 上海人形に槍を持たせ、一緒に彼の元へと行く。 彼の、本音が聞きたいから。 ○「アリス……? どうしたんだ?」 ア「……○○。本当は私よりも魔理沙の方が好きなんじゃないの?」 またその話か。 ここの所アリスの様子がおかしい。 いつの日からか、俺が外から帰ってくる度に 『私より魔理沙の方が好きなんじゃない?』 と聞いてくるようになった。 確かに魔理沙はアリスに持っていない物を持っている。 でも、それは逆にも言える事だ。 アリスも、自分にしかない物を持っている。 俺は、そこに惹かれたのだ。 ○「またその話? だから何度も言ってるだろ、俺は――」 俺の言葉が終わる前に、すっとアリスの目の前に出てきた上海人形。 申し訳無さそうな表情で、その手には槍を持っている。 そして、アリスがすっと手を出してきたかと思うと。 ア「素直になぁれ! 素直になぁれ!」 上海の神速突きが炸裂した。 ○「ぎぃやあああああああああ」 ア「本当の事言ってよ!」 ○「ほんとだって! 俺はただ――」 ア「だったらどうして魔理沙とランデブーしてるのよ!」 ○「ラ、ランデブー言うな!」 上海の槍撃は収まりそうに無い。 ○「べ、別に魔理沙と何かしてきたって訳じゃない!」 ア「素直になぁれ! 素直になぁれ!」 ○「ぎぃやあああああああああ」 アリス邸内を逃げ回り、お互いに体力を消耗していた。 槍を持っている上海が一番疲れていそうだ。 ア「本当に……本当に魔理沙とは何もないの?」 ○「……どうしても信じられないのか?」 ア「うん、信じられない」 ○「…………」 ○「仕方ないな。これが魔理沙の所に行っていた理由だ」 右手の指でパチンと音を鳴らす。 そして、鳴らした指からいくつかの星屑が床に落ちて、消えていく。 ア「あ……」 ○「倒す魔法じゃなくて魅せる魔法。人に害は無い」 ○「まだ未完成だけどね……アリスに迷惑ばかりかけちゃってるから、少し恩返ししたかったんだ」 ○「魔理沙とは本当に何も無い。ただの師弟関係だ。誤解をさせたのは、ごめん」 ア「ううん、こちらこそ、変な誤解をしてごめんなさい」 アリスが俯いて身体を震わせる。 そんなアリスを見たくなくて、近づいてアリスの身体を抱きしめる。 俺は、犯罪者だ。 アリスにこんな表情をさせてしまったのは紛れもなく自分なのだから。 それを見たくないから。自分がそうさせたと思いたくないから。 ○「……不安にさせたかな」 ア「うん……ねぇ、○○」 ○「なに?」 ア「これ以上、不安になりたくない私の我侭、聞いてくれる?」 ○「……いいよ」 ア「もう、魔理沙とは二人っきりで会わないで」 当然の事なのかもしれない。 これ以上、不安になりたくないのだから、その元だった事は二度と起きてほしくないのだろう。 それと同時に。 今日、魔理沙の家にいた時の会話を思い出した。 魔『突然だが、明日からはもうお前の面倒は見れない』 ○『はぁ!? まだ全然出来てないぞ?』 魔『そうだな。まぁ、悪いがあとは一人で頑張ってくれ』 ○『……何か事情でもあるのか?』 魔『いんや、ない』 ○『…………』 魔『なんだ、私ともう二人っきりになれない事が寂しいのか?』 ○『…………』 魔『何も言わない所を見ると図星か? 仕方ない奴だなぁ』 ○『冗談は夢の中だけで言ってくれ』 魔『何だよ、ノリが悪いな』 ○『いちいちノッてられるかよ。こっちは早くアリスに見せてやりたいんだ』 魔『彼女思いだな……アリスが羨ましいぜ』 ○『それじゃ、随分と勉強になったよ、ありがとう』 魔『……まさか○○の口からそんな言葉を聞けるなんて思わなかったぜ』 ○『滅多に聞けない言葉だ。末代まで覚えておけ』 魔『明日にはきっと忘れてるぜ』 ○『ひどい話だな――それじゃ行くわ。本当に困ったら、また来る』 魔『……師匠として、最後の助言だ』 魔『――愛してる奴の言葉は、ちゃんと聞いてやれよ』 魔『これが聞けなかったら問答無用でマスタースパークだ』 魔理沙は、この事を既に予感していたのだろうか? だとすれば、俺はもう魔理沙を頼りにはいけない。 仮に魔理沙の所に行ったとしても、その時に待っているのは魔砲の応酬だ。 どちらにしろ、俺の答えは一つだ。 ○「分かった……もう一人でアリス以外の誰とも会わない」 ア「○○……」 ○「でも、魔法の完成は遅くなる」 ア「うん……待ってる」 アリスが顔を上げる。 その表情に、たまらず唇を奪った。 アリスは驚きに目を見開いたものの、すんなりと俺を受け入れてくれた。 唇を離して、一呼吸を置く。 ○「本当は、もっと後に言いたかったんだ」 ア「……何?」 ○「愛してるよ、アリス」 ア「! わ、私も……」 上海人形(あんああんあんああんあん) 傍でぐったりしていた上海人形が、いきなり元気に踊り始める。 そして、それに反応してか、他の人形達もぞろぞろと現れた。 ○「!」 ア「!!!」 人形達(あんああんあんああんあん) ア「あ……」 ○「…………」 人形達(あんああんあんああんあん) アリスが、テーブルの上にあがっていった。 そして、人形達に囲まれながら、こちらを向いて踊りだした。 ア「あんああんあんああんあん!」 先ほどの雰囲気はどこへやら、実に楽しそうに踊っている。 俺か、俺の"愛してる"でスイッチ入ってしまったのか。 でも、こんなに楽しそうなアリスを見るのは、このときだ。 そして、アリスがこうなるのは、人形を除外すると、俺と二人きりの時だ。 そう考えると、こんなアリスが見られる俺はきっと幸せなのだろう、と。 強引に結論を出して、テーブルの舞台へと飛び込んでいく事にした。 12スレ目 435 うpろだ827 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○「アリス、メリークリスマス!」 アリス「メリークリスマス、○○。いらっしゃい」 ○○「ケーキ買ってきたんだ。一緒に食べないか?」 アリス「あら、私もケーキを作ってたところなのよ」 ○○「ん、そうか」 アリス「まずは食事にしない? どちらかのケーキは明日に回すとして」 ○○「アリスのケーキが先だ 美味いうちに食っておかないとな」 アリス「私のケーキは冷めても美味しいわ まぁ、褒め言葉として受け取っておきますか」 ○○「・・・・・・せっかくのクリスマスなのに 何でこんな淡白なイチャなんだ?」 アリス「さぁ?」 11スレ目 455 ─────────────────────────────────────────────────────────── こちらの目をじっと見る瞳を認めて、アリスもそれを真っ直ぐと見返した。眼光は鋭いわけでも剣呑なわけでもない。 相手はややツリ目気味とはいえ、ただただ見つめられているだけ。 こちらに向けた視線を微動だにせず、○○が一歩近づいた。互いの視界を隔てるモノは無い。 だからその瞳の色の深さがよく、見て取れた。 また一歩、近づく。それでもアリスは目を逸らさなかった。 森でうっかり熊になんて会った時、視線を外さないのは有効な手段だと彼から聞いたことがあったな。そんなことを思い出していた。 一歩。また、一歩。無言のまま○○は近づいて来る。対するアリスは、もう睨み返す様な心持ちで半ば意地のように見つめ返していた。 決して、睨まれているわけでは無いのだけれど。 残る二人の距離は一歩分。また縮んで30センチ、15センチ、額をぶつけて睨み合い、 ……!!!! ………アリス、いつまでこのテに引っかかるんだ? ぺろりと、濡れた感触が微かに唇を撫ぜてアリスは小さく悲鳴を上げる。 彼女の唇を軽く舐めた○○はといえば、呆れた溜息を長く長く吐いた。 勝負事へと摩り替えて、行動への疑問はお互い何処かへ投げて転がっている。 ・ ・ ・ ・ (何でこういうことするの、って 聞くの忘れた) (何でこんなことしてるんだろうね。考えたくもないな、今更) 11スレ目 719 ─────────────────────────────────────────────────────────── アリス、毎日一緒にお茶飲まないかい? 11スレ目 996 ─────────────────────────────────────────────────────────── アリスの家。 アリスと魔理沙と一緒にお茶会を楽しんでいた時の事。 魔理沙がどこかしらに行ったときにそれは起こった。 アリス「……嫌い」 ○○「……え?」 アリス「嫌い!」 ○○「……ごめん」 アリス「ラーヴィン!」 ○○「え!?」 人形達(あんああんあんああんあん) ○○「(;゚ロ゚)」 アリス「ラーヴィン!」 ○○「……俺もだよ」 アリス「あんああんあんああんあん!」 ○○「…………」 黙って抱きしめてあげると、アリスは大人しくなった。 12スレ目 322 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「遅くなっちゃったわね、早く帰らないと」 里で色々あったため、予想してた時間よりも遅く帰宅することになり、辺りはすっかり暗くなっている 「あれ?家の明かりついてない? 出かけてるのかしら」 でも夜になっても家に帰ってないの流石に無いと思う いくらなんでも碌な自衛手段を持たない○○が魔法の森を しかも夜で歩くなんて危なすぎる 「寝てるのかしら?」 ガチャ 「○○居るのー?」 扉を開けて確認する 明かりが一切無いから部屋の中はわからないけど気配はするからいるようね 「…………」 「いるんだったら返事ぐらいしなさいよ 大体なんで明かりをつけてないのよ」 グィッ 「きゃぁ!?」 ドサッ 明かりをつけようと部屋の中に入った途端○○に手を引っ張られ 「何するのy」 「今日里でえらく男の人と仲良くしてたけど誰?」 「誰って…普通に話してただけよ」 ただ人形劇の感想を聞いてて今後の参考になりそうだから少し話し込んでただけ 別に仲なんて良くない 「なに?もしかして私が浮気してるって思ったの?」 「っ……ああ、そうだよ、なんか嬉しそうに笑ってて話がはずんでたようだったしさ」 今にも泣きそうな顔でこっちを見る○○に笑いそうになりなるのをこらえながら ○○の両頬にそっと手を添えてささやく 「馬鹿ね、たとえ他の男の人と嬉しそうに笑ってようが話が弾んでようが 本当に好きなのは○○、貴方だけよ」 「アリス…ごめんな」 「分かってくれたらいいのよ、そういえばご飯はまだ食べてないの?」 「まだだよ、なんか安心したらおなか減ってきたな」 「それじゃあ私が作るわね、○○を不安にさせたお詫びってことで」 「あ、あははははは」 「それじゃあ楽しみにしててね」 12スレ目 404 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「なあアリス明日は何の日か知ってる?」 「明日何かあるの?」 「え、それ冗談ですよね?」 「なんで嘘なんかつかなきゃならないのよ、で明日何かあるの?」 「えっと明日はバレンタインデーといって女の子が好きな人にチョコを上げる日なんだけど」 「へえ。知らなかったわ。で、それがどうかしたの?」 「俺にチョコを下さい!」 アリスは悪戯っぽく笑って 「好きな人にチョコを上げる日なんでしょう?だったらあなたには・・・」 「くれないんですか・・・」 「最高に甘いチョコをプレゼントするわ」 「あ・・え・・ありがとう!」 12スレ目 912 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「なあ、アリス、今日何の日だっけ」 「2、1、4でニボシの日ね。貴方少し怒りっぽいからカルシウムを補給するといいわ」 「ふむ、で、なんでこのニボシ、チョコでコーティングされてんの?」 「2/14だから」 12スレ目 967 ─────────────────────────────────────────────────────────── というわけだ。俺にもむにむにさせてくれ アリス「何よ、唐突に」 いいじゃないか。むにむにさせろよ アリス「ば、馬鹿、やめなさいって」 うりうりー アリス「もう!仕事の邪魔するなら怒るわよ?」 全く、仕方の無いアリスだな。 上海でもむにむにしにいくか アリス「何が仕方の無いアリスよ・・・・・・勝手になさい」 むにむに 上海「シャンハーイ」 むにむに 上海「シャンハーイ」 むに・・・・・・ 上海「シャンハーイ?」 ・・・・・・やめよう、虚しい アリス「何やってるのよ・・・・・・ほら、頬」 うん、気が変わったのか? アリス「あんたに呆れただけ。見ていて哀れだもの」 そーかそーか、むにむに・・・・・・あぁ、幸せ アリス「本当に馬鹿なんだから(汗」 13スレ目 243 ─────────────────────────────────────────────────────────── 俺はお前の事を慕っている。 他の人形と同じよう手足の様に使っても構わん。 「そう、じゃあ夜のお仕事をさせてた人形の代わりになってね?」クスクス な感じでアリスに翻弄されたい。 いいのか?俺がやって、 「い、良い訳無いでしょ! あんたが人形の代わりだからやらせてるんだからね!でもなきゃこんな早く・・・」 早かったか?今日はもう止めようか? 「ち、違うのそうじゃなくて・・・」 と気付かない振りしたい。 482 一瞬そこまでよな展開かと思っていたら、 寝室で読書灯を持つ仕事だったり。でも 「も、もっと近くに寄ってくれないと暗くて読めないじゃないの!」 って言われて、側に寄ると薄明かりの中で パジャマ姿のアリスから良い香りがして、ドキドキしたり。 さらに、もう遅いから寝たら、と声をかけて 「……そんなに言うなら休んでもいいわ。―う、腕枕してくれたらね!」 とか。 13スレ目 482-483 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「んっ……あ、そこ……」 アリスの口から甘い吐息が漏れる。 「こ、こう?」 アリスの肌に触れる○○の手にも思わず力が入る。 「○○、もっと……。ん……気持ちいい……」 「アリス……」 「どうしたの……○○……?」 アリスは快感で細めた視線を○○に送る。 「そんな声を出されると……すごくやり辛いんだけど」 「しょうがないじゃない。○○に肩を揉んでもらうと気持ちいいんだから」 ○○は照れを隠すようにアリスから顔をそらした。 「もういいわよ。ありがとう」 その言葉に○○は安堵したようにアリスの肩から手を離し、アリスの正面の席に座る。 「どうしてそんなに肩が凝るの? 立派なモノを持ってるわけでもないのに」 ○○の言葉にアリスの肩が小さくぴくんと震えた。 「『立派なモノ』ってナニかしら……?」 「ナニって、そりゃあ胸の――」 アリスは笑顔で○○を見つめている。しかし、目はまったく笑っていない。 「あー、えーと、その、ごめんなさい。余計なことを言いました」 「まったく……。デリカシーのない人ね」 ため息をつき、アリスは紅茶を口に運ぶ。 「それで……その、○○はどうなの?」 アリスは上目遣いで○○を見る。心なしか頬が少し赤いようだ。 「何が?」 「だ、だからっ、その……○○はむ、胸の大きい方が好みなのっ!?」 恥ずかしいのか、言葉の最後は上ずっていた。 「そりゃあ、ないよりもあった方がいいけどさ」 「やっぱり、男の人ってみんなそうなのかしら……」 アリスの言葉はもはや独り言に近かった。 「そんなことはないと思うけど」 アリスは驚いたように○○を見る。 「俺は大きさよりもアリスのことが好きだから……その……」 「男らしくないわね。それに、その言い方だとまるで私の胸がないみたいじゃない!」 「え、あっ、ご、ごめん!」 「本当にデリカシーがないわね」 アリスは呆れたように背もたれにもたれかかった。 「本当にごめん。許して」 土下座をするような勢いで謝る○○を見て、アリスは考えをめぐらせる。 「そうね。私の言うことをひとつきいてくれたら許してあげる」 「ほ、本当?」 「こんなことでウソなんかつかないわよ」 「それもそうか……それで、俺はいったい何をすれば?」 「簡単なことよ」 そう言い、アリスは目を閉じて顔を突き出した。 「へ?」 「女の子がまってるんだから、することは決まってるでしょ?」 「え、えーと……」 ○○の喉がごくりと唾を飲み込む。 「そ、それじゃあ……」 ○○はアリスの唇に自分のものを重ねた。 Fin うpろだ1064 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「アリスって脚綺麗だよな」 「ッ!!?」 ○○の発言にアリスは大きく目を見開いた。 「い、いきなり何を言い出すのよ!」 「思ったことを言っただけだよ」 ○○の視線が自分の脚に向けられていることに気づき、アリスは脚をテーブルの下に潜りこませる。 「でも、アリスの脚は本当に綺麗だと思うよ。外の世界でもそれだけ綺麗な脚の持ち主はそうそういない」 「……褒めても何もでないわよ」 アリスは一瞬満更でもないような顔をしたが、悟られないようにいつもの表情を装って○○を見る。 「ところで、どうして急にそんなことを言い出したの?」 ○○は待ってましたと言わんばかりの笑顔を見せ、部屋の隅に置いてあった箱をアリスの前に置く。 「俺からのプレゼント。開けてみて」 再びアリスの目が大きく見開かれるが、その表情はすぐに明るい笑顔にかわる。 「○○、ありがとう」 満面の笑みで礼を言い、アリスは箱を開ける。ご丁寧にも包装用紙をきちんと折りたたんで。 「あっ……」 箱の中身は新品の茶色いブーツだった。 「俺がこっちにきてからずっと世話をしてくれたアリスへの感謝の気持ち」 「○○……ありがとう!」 「あの、出来ればさっそく履いてみてほしいんだけど……」 「いいわよ。待っててね♪」 アリスは満面の笑顔で鼻歌をうたいながら奥の部屋へ消えていった。 ~少女着替え中~ 「どう? 似合う?」 嬉しそうにくるりと舞うアリス。 「似合ってるよ」 「私もお礼をしなくっちゃね。何がいい?」 アリスは屈託のない笑顔で○○を見つめる。 「何でもいいわよ」 「本当になんでもいいの?」 「晩ご飯のリクエストでも、私と結婚したいでも」 冗談めかすアリスの言葉に、○○の顔が真剣なものになる。 「……どうかした?」 「……アリスとずっと一緒にいたい」 沈黙。 「……○○!」 アリスは思わず○○に抱きついた。○○はアリスを受け止める。 「私もあなたと一緒にいたい。ずっと一緒にいたい!」 「アリス……」 「○○……」 二人の視線が交わる。 「……私はその言葉を待っていたわ」 「今まで言えなくてごめん」 ○○は申し訳なさそうに目を伏す。 「気にしなくていいのよ。大事なのはこれからなんだから」 「アリス……」 「○○……」 二人はどちらからともなくお互いの唇を重ね合わせた。 何度も何度も重ね合わせた。 Fin うpろだ1065 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「そこで何をしてるの?」 自室の扉を開けたアリスが目にしたのは、ベッドの上で「アリスのニオイ~」と転げまわる○○の姿だった。 「あ、えーと……」 ○○はベッドの上で硬直し、アリスを見つめている。顔からは血の気が引いていっているようだ。 「――変態」 冷たい声で一言。 ○○を見るアリスの瞳は汚物でも見るように細められている。 「ごめん」 アリスは○○の言葉を無視し、顔に平手を食らわせた。 「……」 「……」 ○○は赤くなった頬を押さえながら部屋を出て行った。その際「本当にごめん」と呟いて。 アリスはため息をついてベッドに仰向けになった。 どうして勢いだけであんなことをしたのだろう、と自問自答する。 つい先日、アリスも洗濯をする際に○○の服で似たようなことをしていた。むしろ、○○の服を着て意識をどこかに飛ばしていたことを考えると、先ほどの○○への仕打ちは身勝手以外の何者でもない。 「こんなことしてる場合じゃないわッ……!」 おそらく○○はいたたまれなくなって出て行っただろう。ただの人間が出歩くには魔法の森は危険すぎる。 アリスは○○を探すため、脱兎の如く飛び出した。 「○○! ○○!」 木の根に足を取られて何度も転んだが、それでもアリスの足は止まらない。 自分のわがままで大切な人を傷つけてしまったのだから、ちゃんと謝らなくてはならない。そして自分がしたことを告白し、罰を受け入れる必要がある。 たとえ、それが原因で○○がアリスのもとを去ってしまうとしても。 どれだけ○○の名を呼んだだろうか。発見した時には、○○は地面に倒れていた。 「○○!」 ○○を抱え起こし、体に異常がないか確認する。意識を失っており顔も少し青いが、瘴気に当てられただけだろう。それ以外には特に目立つ異常はない。 「はやく……連れて帰らないと……」 ○○が目を覚ますと、そこはアリスの家だった。あたりを見渡せば、目に涙を浮かべたアリスが心配そうに○○を見ている。 「よかった……!」 アリスはなりふり構わず○○に抱きついた。 「ごめんなさい……。私のせいで○○をこんな目にあわせてしまって……」 「えーと、いったい何があったの……?」 状況を理解しきれていない○○にアリスは状況を説明した。○○は少しの間目を閉じて何か考えていたようだったが、目を開けると同時にアリスを抱きしめた。 「え、ちょ……!」 「アリス、ごめん。俺が最初からアリスが好きだって言えばよかったんだ」 「ううん。そんなことない。拒絶されるのが怖くて、言い出せなかった私が悪いのよ」 「アリス……」 アリスを抱きしめる○○の腕に力がこもる。 「アリス、改めて言うよ。俺はアリスのことが好きだ。一緒にいたい」 「私も改めて言うわ。私は○○のことが好き。一緒にいたい」 二人は相手の気持ちにこたえるため、同時に口を開いた。 ――喜んで。 うpろだ1080 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「大切な人が懸命に働いているのに、何も出来ない自分が情けないよ……」 「自覚してるならあなたも手伝ったらどうなの?」 部屋の掃除をサボる○○に向けて、アリスは呆れたような視線を送る。 「知ってるか、アリス。外の世界で男に手伝ってもらうには、相手を罵るのが礼儀なんだ」 「……何それ」 「外の世界の礼儀」 アリスは胡散臭そうな目で○○を見た。 「本当に……?」 ○○をじっと見つめるアリス。○○もアリスを見つめ返す。 「まあいいわ。それくらいで手伝ってくれるなら、いくらでも罵ってあげる」 ○○はアリスに背を向けてガッツポーズを取った。 「それじゃあ思いっきり罵ってくれ! 踏んでくれてもいいし、その魔導書でぶってくれてもいいから」 「――この変態!」 「こ、こうでいいかしら……?」 「まだまだだね。罵り足りない。もっと罵ってくれ」 嬉しそうに目を輝かせながら迫る○○に、アリスは少し気圧される。 「え、えーとじゃあ……横になってくれる?」 ○○は待っていましたと言わんばかりの満面の笑みで床の上に横になった。そしてその体をアリスが踏みつける。 「こんなことされて喜ぶなんて、どうかしてるわね。やっぱりあなた変態なんじゃない」 アリスの足にぐぐっ、と力が入る。 「ホント気持ち悪い……」 汚物を見るかのようにアリスは目を細めた。 「この下衆。あんたみたいな下劣な人間には生きる価値なんてないのよ」 (あ、ちょっと気持ちいいかも……) 「気落ち悪い。変態。見ているだけで吐き気がするわ」 「醜悪」 「存在そのものが不愉快っ!」 「バカじゃないの!?」 「変態!! 変態!! 変態!! 変態!!」 (こういうのもいいわね……ふふ) 「これくらいでどうかしら……?」 アリスが○○の様子を伺うと、○○は鼻血を出して気を失っていた。 「ちょっと、○○!? どうしたの!?」 うpろだ1084 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○が倒れて三日。 アリスの看病と薬のお陰で○○の容態は順調に快方へ向かっている。 「○○……」 ○○の頭を優しく撫でながら、アリスは永遠亭の薬師の言葉を思い出す。 ――原因はおそらく森の瘴気ね。 ――わかっているとは思うけど、彼はただの人間よ。命に別状はないとはいえ、私のように死なない人間やあなたのように人間でなくなった者とは違うの。 ――私の言葉の意味、わかるわよね……? アリスは自分の下唇を噛み締めた。 自分と共にいたせいで、○○はこんな目に合ってしまった。 心のどこかで大丈夫だと思っていたから、二人で森に住み続けていた。だが、その結果が今の状況だ。 ――俺、ずっとアリスと一緒にたい。ううん。ずっと一緒にいる。何があっても一緒にいる。 ○○の言葉を思い出し、アリスの両目から涙がこぼれた。○○のことを考えて森から出ていれば、こんなことにはならなかったのに。 「アリ……ス……」 耳元で囁くような○○の小さい声にアリスは顔を上げる。 「○○?」 アリスは慌てて涙を拭い、いつもの調子を装って○○の様子を伺う。 「起きたの……? 一応食事の用意はしてあるけど、食べれそう?」 ○○はゆっくりと、そして小さく首を横に振った。 「じゃあ、せめて薬だけでも……。飲めそう……?」 ○○の首が再び横に動いた。 どうすれば○○に薬を飲ませることが出来るかアリスは考える。そしてひとつの結論にたどり着いた。 「それじゃあ私が飲ませてあげる」 アリスが導き出したのは、口移しで飲ませるという方法だった。薬と水を口に含み、口付けで○○の口に送り込む。 「……ありがとう」 小さな声で礼を言い、○○は再び眠りについてしまった。 「○○……」 ○○が想いを打ち明けてから、二人はずっと一緒にいる。片時も離れず、ずっとそばにいる。なのに、アリスにとって今日の○○はひどく遠くに感じられた。 大切な人が傷つく原因を作ってしまい、不安になっているから発想も暗くなっているのかもしれない。しかし、この状況ではそこまで考えが及ぶはずもない。 「○○、私を置いていかないで……」 アリスは○○に口付けをした。 初めて交わした口付けとは違った。 宴会の席で、誰にも見られないように交わした口付けとも違った。 ベッドの中で交わした口付けとも違った。 喜びもない、嬉しさもない、ただただ、悲しくて冷たいだけの口付け。 「○○」 ○○がそばにいることを確認するための口付け。その感触は間違いなく○○のもの。なのに、○○をどこかに遠くに感じてしまう。 「……ア……リス」 名前を呼ばれてアリスは振り向くが、それはただの寝言だった。 「アリス……ずっと……一緒に……」 たった一言。それだけで、アリスの心の不安感を払拭するのには充分だった。 「○○」 アリスは三度目となる口付けをする。今度は、距離を実感することが出来た。 ○○はアリスのそばにいる。 アリスは○○のそばにいる。 問題はこれから解決していけばいい。 うpろだ1088 ───────────────────────────────────────────────────────────
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【ゲーム】ファイナルファンタジーX(PS2) 【作者名】KIRIN 【完成度】完結(08/08/24~08/12/30) 【動画数】59 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/8104796 【備考】 なんでキリンさんローマ字なんだ? -- 名無しさん (2009-03-13 17 56 19) 名前 コメント
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アリス9 ---- -人形遣いと機械人形遣い-(うpろだ386・389・393・413) ティウン ティウン ティウン ティウン……!! 「く……くそっ…!!」 周囲には、役目を果たさなくなった金属の破片や機械部品が散乱していた。 そして、俺の目の前には人形をしもべとする少女がいる。 「ふふふ……無様ね」 人形遣いの少女は、俺に嘲笑のこもった言葉を投げかけて―――― 「これで、私の勝ちね ―――― 罰ゲーム決定よ!」 ――――俺を指差し勝ち誇った。 「だーくそ! なんで勝てねぇんだチクショウ……!」 「あなたの機械人形が弱すぎるのよ」 「く……っ!」 ……俺が何故アリスと決闘をやっているのかって? アリスが、半人半霊の剣士と、俺と同じく外の世界から来た白玉楼の軍師との試合に触発されて―――― 「ね、ねえ……あなた機械人形を作るのが得意なんでしょう? だったら、私と勝負しない?」 「え?」 「どっちが最高の人形遣いかはっきりさせておきたいのよ……拒否は認めないわ」 「フ、挑まれた勝負は逃げるわけにはいかないな……いいだろう!」 「あ、そうそう……妖夢と●●の決闘のように、勝者は敗者の命令を一つ聞くこと――――いいわね?」 「は?」 という経緯により、アリスと俺も 負けたほうが言うことを何でもひとつ聞く罰ゲーム付きの決闘を始めたわけだ。 そして、それからアリスとの決闘は通算100敗目…… 俺は彼女に一回も勝ったことがない。 「はぁ……妖夢と●●のようにはいかないわねぇ……」 「は?」 「な、なんでもないわよっ!!」 プイと後ろを向くアリス。 そして、彼女は俺に顔を見せないまま―――― 「ま、いいわ……それで、今度の罰ゲームは……」 「おう、煮るなり焼くなり好きにせいや」 「そ、そうね……私と……その……」 「?」 「デ……デー…」 「大丈夫か? なんか、耳はおろか首筋まで赤いぞ?」 「~~~~~!!!! デ、デ、『デヴィリーライトレイ』――――ッッ!!」 大量の人形がレーザーを地上に照射して 「―――― え?」 そしてその地点から爆発が生じる。 「ギャアアアアアアア!!」 俺はまた、吹き飛ばされた。 「で……≪ 私とデヴィリーライトレイ ≫ ってなんだよ? つーかそれ喰らうの5回目だぞ」 「う…うるさいわね! 今日の罰ゲームは今ので終わり! 次の勝負は10日後にここでやるわよ!! 遅れないでよね!! 」 と言い捨ててアリスは走り去ってしまった。 「……な、なんだったんだ?」 ・ ・ ・ ちなみにアリスは家に帰るなり バスン! ボスン!! バスン!!! クッションを両手でつかんで床にたたきつけながら―――― 「あーもう、私のバカバカバカぁぁ!! どうして、『私とデートして』の一言が言えないのよぉぉ……!!」 ……激しく後悔していた。 ・ ・ ・ 一方―――― 家に戻った俺は、今日戦ったときに収集したアリスの戦闘データを解析していた。 自作の発電機によって電気を供給し、パソコンのキーボードをパチパチ打ちながら、ニヤニヤ笑っている。 端から見たら恐ろしく不気味であろう。 「くくく……いつまでも負けっぱなしだと思うなよ、アリス」 アリスとの100回もの戦闘で、データ収集はこれで完了。 例のやつの思考プログラムと戦術プログラムも完成した。 後はボディの作成だけだ…… 「次は、お前を完璧に負かしてやるぜ……!」 俺の得意とするのは機械人形作成――――所謂、ロボット作りだ。 実際、元の世界ではさまざまなロボット大会に出て何回も優勝したこともある。 だが……アリスと渡り合うには、科学の力だけで作られた機械人形ではどうにもならない。 基本的にロボットはそこまで力が強いわけでもなく、強い衝撃を受けるだけで壊れてしまうし、それほど動きが速いわけでもない。 その戦闘力は、アリスの人形の足元にも及ばないだろう。 しかし、この幻想郷には魔法がある。 そして、その魔法の理論体系も粗方理解し、実践できるようになった。 材料も香霖堂で使えそうなのを買ってきたし…… あとは魔法と科学を融合させ 最高傑作と呼べる自動機械人形を造るのみ―――― 3日後―――― 「うーん、やっぱミサイルは外せないよなぁ……」 6日後―――― 「合体変形機能は漢の夢だよな……でも、さすがにまだムリだよなぁ……」 9日後―――― 「時間ねぇー!! つーか、間に合わねぇよコレ!」 10日後―――― そして、俺は勝負の舞台に立つ。 「……待たせたな、アリス」 結局、作成は間に合わなかった。 残る作業は充電だけで、終わり次第こっちに来るようにプログラムしておいたが…… それでもあと何十分かはかかる。 とにかくアレが来るまでは時間を稼がなくてはどうにもならない。 ……別に仮病使って休んでもいいのだが、休むとアリスが 「なんで休むのよ! 楽しみにしてたのに!!」 ――――と、烈火のごとく怒るんだ。 「それじゃ101回目の勝負……いくわよ!!」 「ちょっ、ま……そんな早す――――」 数分後―――― 「ッぐぁ!!」 必死で時間稼ぎをするものの、防戦すらままならない。 アレを作ることに気を取られて 手持ちの機械人形はろくにメンテもしてなかったため 自慢の機械人形はロクに動かないまま、次々とアリスの人形に撃破されてしまう。 「……呆れた、いつもよりも輪をかけてお話にならないわね……」 「ぬうう……」 「そろそろトドメ、行くわよ……」 その時 ゴォォォォォォォ…… 空から轟音が聞こえてきた。 「な、なに? この音……?」 「来たか――――」 「え?」 「予想より早かったが、それでもギリギリセーフってとこか……待ってたぞ ――――」 ゴオオオオオオ―――― 空からの轟音が大きくなって―――― 「――――“フルメタルアリス”!!」 ―――― ガシャコン……ッ! ○○と、アリスの間に、鋼鉄の少女が降り立った。 「( ^ ▽^)ノ マスター、オハヨウ~♪ 」 そのまま、可愛らしく俺に挨拶をする。 空を飛んでアリスの目の前に立った○○の切り札は―――― 「な……私?」 ――――アリスと、大きさまでもがそっくりに作られた機械人形だった。 「( ^ ▽^)ノ コンニチハ、オリジナルー♪ 」 アリスそっくりな機械人形は左手を上げて、アリスにも挨拶をした。 「なななななな…何なのよソレ――――!?」 何なのよ、この私そっくりな機械人形は!? なんで私にそっくりなの!? 顔もそっくり……いや、ちょっとだけ機械チックだけれど 服も堅そうな金属でできてるし って、そうじゃなくて―――― 「な、なんで、わたしそkk――――」 「これがオレの可愛い“フルメタルアリス”だ!! ワハハハハハハハ!!」 アリスの動揺と言葉を遮って、○○は勝ち誇る。この上なく勝ち誇る。 右腕を天にかざし、高らかに勝ち誇る。 ああ……楽しい。 切り札を見せるこの瞬間のドキドキといったらもう! マジ、テンションあがるわコレ! 「 (////⊿//) カ、“可愛イ”ッテー…」 「…………」 「 (//// _ //) アリガトウ…♪」 その女の子らしい もじもじ した仕草と、素直な心に少しドキッとさせられる。 「素直で可愛い……そんなお前を俺は気に入っているぞ! メカアリス!」 「( //// ▽//) ♪~」 当然、アリスはイチャイチャしている○○とメカアリスの姿が面白くない。 「 ち ょ っ と 、 い い か し ら …… ○ ○ っ !!」 「 ア … ア リ ス 、コ ワ イ ー ……」 獰猛な殺気を露にするアリスと、その姿に怯える人形たち。 しかし―――― 「フハハハハハハァァ――――! すごいぞッ! かっこいいぞォォォッ!!」 「いや聴きなさいよ人の話!!」 「さあ……ここからが俺とメカアリスの踏み出すロード! それが勝利への未来となるのだァァ!」 「いやだから、人の話を――――」 アリスは頭を抱えた。 (ああもう、そうだった……こいつ切り札を出す時には、なぜかハイテンションになって こんなになるんだった……) 今の○○の姿を一言で言うなら……誇大妄想狂だろうか? 「さあ、メカアリスよ! 我が永遠の宿敵 ―――― アリスを倒すのだァァ!!」 「( ^ o^)ゞ リョウカイー!」 メカアリスがアリスの眼前に立ちふさがる。 「 o( - _-)=O=O オリジナル……覚悟ー!」 「ああもう、本当に気に入らないっ! 粉々にしてあげるわ!!」 不機嫌そうにアリスは吐き捨てて、人形を自分の周囲に展開させる。 「〟〝 〟〝\( ^ ー^)ノ 〟〝 〟〝 ファンネルー!」 「!?」 鋼鉄のスカートの中から何体もの小型の機械人形が現れる。 それは、アリスの人形たちと酷似していた。 違いは、機械であるかそうでないかだけ―――― 「これがメカアリスの『ドールファンネル』だ!! ワハハハハハハ!!」 ○○のバカ笑いと同時に、小型の機械人形がめちゃくちゃな軌道を描きながらアリスに襲いかかる。 「……っ! 戦操『ドールズウォー』!!」 アリスは周囲に展開させた人形で、向かってくる機械人形をすべて迎撃し地に叩き落す。 そのまま、人形たちに弾幕を張らせてメカアリスに攻撃しようとしたが―――― 「(((((( \( ^ _ ゜)/ )))))) バリアー!!」 ガキィィィンン!! 「な――――!?」 人形たちの弾幕が全てメカアリスが展開した見えない防壁に阻まれた。 さすがのアリスも驚きの声を隠せない。 アリスノ ツンデレ 「これがメカアリスの『 A T フィールド』だァァ!! ワハハハハハハァー!! 俺以外のすべてに“ツン”とした無敵防壁を張り、俺にだけは“デレ”っとしt」 「―――― ああもう、うるさいわよっ!!」 耳障りなバカ笑いと解説に毒づく。 「……ッ!? こ、これは――――」 アリスはメカアリスのスカートの中から五寸釘型のミサイルが発射されていることに気づく。 ミサイルはそのまま弾頭をアリスの方向に向け、停止したままだ。 その時点になって、アリスはメカアリスの作戦に気づいた。 だが、気付くのがあまりにも遅すぎた。 五寸釘の形をしたミサイルに周囲を完全に囲まれてしまっている。 戦闘中に、アリスに気づかれないように鋼鉄のスカートの中からミサイルを発射し……配置していたのだ。 ……アリスを取り囲むように。 「これがメカアリスの『ごっすんミサイル360度全方位収束一斉掃射』だァァァァ――――!! ワハハハハハハァァァ――――――ッ!!」 そして、何発ものごっすんミサイルが―――― 「しまっ――――」 ―――― アリスの360度全方位から、襲いかかった 「きゃああああああっ!!」 辛うじて、人形で防御するが 膨大な数のミサイルはとうてい防御しきれるものではなく―――― 爆風に吹き飛ばされ、アリスはそのまま気を失ってしまった。 完全に動けなくなったアリスを確認し、○○とメカアリスは勝ち誇る。 「フハハハハハハァァァァ――――――ッ! 粉砕! 玉砕ィ! 大喝采ィィ!!」 「o( ^-^)o ヤッタァー!」 溢れ出る喜びのままに、勝ち誇る。 「よくやった! さすがは、我が自慢の娘だ!! フハハハハハハハッ!! ワ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! ! ! ――――って、いや笑ってる場合じゃなくて、大丈夫かアリス?」 戦闘終わったし、いい加減テンション上げすぎるのも疲れてきた。 バカ笑いしてるのも飽きたし、何より笑ってる場合じゃない。 一応メカアリスの武装は、死なない程度に殺傷力を落としたモノを使ってはいるが それでも、全方位からミサイルを浴びて無事で済むとも思えない。 「う…うう……」 アリスを抱き起こし、その身体をざっと見回す。 目立った外傷もない。 「ぅぅ……いたた……え?」 「大丈夫か?」 「―――― ○○?」 次第に、アリスの目の焦点が合ってきて―――― 「――――ッ!?」 アリスは状況を確認し、なぜか一瞬で頬が真っ赤に染まる。 「きゃあああああああっ! ドコ触ってるのよっ!!」 パァァァンッ!! 派手な音とともに俺の頬が張られ、さらに突き飛ばされて尻餅をついてしまった。 「……無事みたいだな」 OK、これだけ強力な平手打ちできるなら問題ない。 まあ、アリスの目が覚めたところで早速勝ち誇らせてもらうか! 「今回は、俺の勝ちだな、アリス!」 「くっ……なんなのよ、その私そっくりな機械人形は! し、しかも言うに事欠いて、私そっくりな姿で、ス……スカートの中からミサイルや人形を射出するなんてっ!! なんてことするのよ、スケベ!!」 「何を言うかバカ者ぉぉ! 乙女のスカートの中には、愛と勇気と、未来への希望が詰まっているのだッ!! 故にメカアリスの全武装はすべてスカートの中から射出するようにしt」 「バ……ババババババカぁぁ―――――!!」 「痛ぇ!」 スカート談議に花を咲かせ痴話喧嘩を始める二人。 そこにメカアリスが―――― 「(ノシ /// ▽//)ノシ マスタ~♪」 ○○に抱きついてきた。 「うおっと! どーしたよ、メカアリス?」 「(ノ /// ▽//)ノ マスター、大好キー……」 ところで↓の場面を想像してみてくれ。 いつもツンケンしているアリスと同じ顔が「(ノシ /// ▽//)ノシ ○○ー、大好き♪」 と頬を赤く染めて抱きついて、甘えてくる姿。 こいつをどう思う? 「よしよし、可愛いな、メカアリスは~♪」 「――――っ」 それを見ていたアリスは、一瞬だけ泣きそうな顔になって―――― 「……お、覚えてなさいよっ!!」 ベタなセリフを残し、走り去っていった。 ・ ・ ・ 「うう――――」 バタン! 家に帰るなり鍵も閉めずに、近くにあったクッションを引っ掴んでその場にへたり込んだ。 涙を流しながら、クッションを両手に持ったまま床に何度も叩きつける。 それでも気は晴れない。 バスン! ボスン!! バスン!!! 「○○のバカ! バカっ! バカぁっ! 」 くやしい! くやしい!! くやしいっ!!! 「あんな……あんな機械人形なんかに――――」 ○○に、負けたことなんて もうどうでもいい。 あの男は、いつかは私を超えてさらなる高みへと進んでいく男だということを信じていたから。 涙を流すほどに、屈辱的で悲しかったのは あの男は、私がいながら―――― 「よりによって……あんな機械人形なんかを選ぶなんて――――!!」 ――――よりにもよって私そっくりの偽物をつくって、そっちを選んだ。 「どうして……?」 あの時、イチャイチャしていた2人を見て感じたのは胸が引き裂かれそうな嫉妬と悲しみ。 「どうして、私じゃなくて……私の偽物なんかで満足するのよぉ…… しかも、私の性格とは180度違う……素直で天真爛漫で女の子らしくて人懐っこい性格で……」 本物の私は、意地っ張りで素直じゃないけれど、あなたのコトがこんなにも大好きなのに…… あなたは、やっぱりああいう女の子のほうが――――? 「 ア リ ス … ゲ ン キ ダ シ テ ー ……」 「上海………」 「 ア リ ス ー ……」 「蓬莱………」 「 ア リ ス 、 フ ァ イ ト ヨ ー !!」 「うう……」 人形に元気づけられ、改めて自分と○○の関係を考え直してみる。 あの私の偽物は生み出されたばっかりで、まだ○○との付き合いも浅い。 だけど、私には2年前から、あいつと過ごしてきたというアドバンテージがある。 ……しかし 「考えてみれば……あの男、今あの偽物とイチャイチャやっているのよね……」 「 ア リ ス ー ……?」 そして、これからはあの男と偽物が一緒にいる時間はどんどん増えていくのだろう。 時間が経てば経つほど状況はどんどん不利になる…… 「――――っ!!」 こんなことしてる場合じゃないわ―――― 「 ア リ ス ー 、ド ウ シ タ ノ ー !?」 クローゼットを全開にし、大きなバッグを取り出す。 そして、クローゼットの中にある服や、洗面器具などの生活必需品を手当たり次第、大きなバッグの中に詰めていく。 「あいつの家に押しかけるの!! ○○は誰にも渡さないんだから!!」 10分後―――― 「……おう、いらっしゃい! どーしたよ、アリス?」 「え、えーと……そ、そうそう! あなた罰ゲーム忘れてるでしょ?」 「あ、そーいえば……いや、つーかその荷物は?」 「あ……あなたのことだから、しばらく長く続く罰ゲームを命令されると思ったのよ」 「罰ゲームの期間って1日だけじゃなかったか?」 「う、うるさいわね!! あなたにお情けをあげるの! 私に初めて勝ったあなたに、お情けで数日の間 罰ゲームに付き合ってあげようと思っただけよ!! い、言うこと聞いてあげようじゃない! 食事を作るとか……なんでも御座れよっ!」 「ん~、そりゃ嬉しいが……実は食事は――――」 その時、家の奥から機械人形の声が響く。 「 (ノシ ^▽)ノシ マスター、食事ノ準備デキター」 「……つーわけだ。すまねぇ、もう作っちまってたんだよ……よければ、喰って行くか?」 「な、なに言ってるの!? あんな機械人形の作ったものなんて――――」 きゅう~…… 「あ………」 可愛らしい音を立てて、アリスのお腹が鳴った。 「…………」 「…………(//// ⊿//)」 「…………」 「…………ッッッ!」 「ぼ、暴力反対……」 「バカぁぁ―――――――――――――ッ!!!」 「――――――!?!?!?」 悲鳴を上げることすらも許されずに、俺はアリスの鉄拳によって吹き飛ばされた。 俺は、彼女が意外に武闘派だという一面を薄れゆく意識の中で………ゲハッ ・ ・ ・ 結局、私は機械人形の作った食事を食べることにした。 それにしても、あんなところでお腹が鳴るなんて…… ああもう、恥ずかしい……顔から火が出そう 未だに自分の頬が赤く染まっていることがわかる。 「い、いただきます……」 「( ^ ▽^)ノ 召シアガレー、オリジナルー♪」 そして、機械人形の作ったカレーライスを一口食べる。 そのとたん、抱いていた羞恥心が消し飛ぶ。 文字通り言葉を無くした。 「う、嘘っ…美味しい……!」 信じられないくらいに美味しいのだ。 「だろ? さっき、メカアリスに紅魔館のコックや、白玉楼の板前の調理スキルデータをインストールしたんだ。 ……他にも、スキルデータをインストールしていけば、さらにメカアリスは完璧になっていくぜ」 正直、これ以上にうまく作ることなんて……できそうにない。 ああ……こんなことなら、もっとお料理の勉強しておけばよかった…… ……勉強しても、調理スキルのデータを注入するだけでレベルアップできる様な反則機械人形には全く勝てる気がしないけれど。 そんなこんなで食事も終わる。 「まあ、あれだ……罰ゲームについては考えておくよ。 あと、よくわからんが 今日は泊まっていくんだろ? 先に風呂入りな」 「ううん……私が押し掛けてきたんだから先に入って。」 「そっか……じゃあ、風呂入ってくるから適当にくつろいでてくれ」 「うん……」 浴場に入る○○を視線だけで見送り。 私は、ため息をつく。 完膚なきなまでに、あの機械人形に対して敗北感を味わっていた。 悔しいけれど、勝てない。 「……何か、ないかしら」 あの機械人形にはできなくて、私にはできること。 「……あるわけない…か」 大体、データ注入するだけで強くなれる相手にどう勝てばいいのだろう。 重い気持ちを抱いたまま、何気なくソファの上を見ると…… 「ん?」 書きかけのノートのようなものがあった。 「なに……これ?」 ノートを手に取り、開いてみる。 これ、メカアリスの作成日誌? 少し興味も駆られてパラパラと流し呼む。 その中に、一つだけ目を引く文章があった。 ≪―――― 耐水防護に課題が残る ――――≫ つまり、あの機械人形は水に弱いって言うことで…… ―――― こ れ よ こ れ し か な い わ ! ! 自分の勝利を確信し、アリスは思わず叫んでいた。 ・ ・ ・ 「ふー、いい湯だねぇ……」 俺は風呂につかりながら、本日の歴史的大勝利を噛み締めていた。 そして、アリスの言った「罰ゲーム」を思い出す。 正直、ついさっきアリスに言われるまで忘れていたものの どんな罰ゲームで、これまで受けた屈辱の溜飲を下げようか今から楽しみだ。 「罰ゲームかぁ……『今ここでアリスに背中を流してもらう』なんてのも良かったかなぁ……ハハ」 あのアリスが羞恥に頬を染めながら、俺の背中を流すシチュエーションはきっと殺人的な享楽だろう。 「そ、そう……じゃあ、失礼するわよ」 「おう、入れ入れー……は?」 振り返るとそこには、バスタオルを胸に巻きつけ、そのほかは何一つ纏わないアリスが立っていた。 バスタオルの端から見える膨らみかけの柔らかそうな胸。 やや内股気味なすらっとした滑らかな脚。 紅く染まる頬に、羞恥に潤んだ瞳。 裸の俺に視線をまっすぐ向けられず、俺と余所を交互にチラチラ見ている仕草が殺人的に可愛い。 「そ、そんなにジロジロと見ないで…!! 恥ずかしいじゃない……」 なんだ、これは……夢か? 「わ、私は今日負けたから、あなたの背中流してあげるの!! か、勘違いしないでよね! あくまで、罰ゲームだからやってるのよ!!」 「いや、罰ゲームって普通俺が決めるんじゃ――――いやなんでもありません」 アリスに進言しようとしたが、妙な気炎を上げる彼女に水を差すと また殴られそうだったので黙っていることにした。 何より、これはこれでイイ。 「ほ、ほら…背中向けて」 「あ、ああ……」 アリスが俺の背中を石鹸をたっぷりつけたタオルで洗い始める。 力があまり込められておらず、どことなく洗い方がたどたどしくて……少しくすぐったい。 この慣れていないっぽさ っていったらもう……! 「ど、どう…? こんなこと、偽物にはできないでしょう……?」 「ま、まあ……あいつは防水加工してないからな…… ……てか、どうしたんだ、アリス? やけにメカアリスに対抗意識燃やして――――」 言いながら、背後を振りむこうとしたら、アリスに両手で頭をつかまれた。 「う、後ろを見ないで」 そして、泣きそうな声で彼女は続ける。 「は、恥ずかしいんだからぁ……!」 「わ、悪い……」 アリスの声は羞恥により僅かに裏返っているし 背中をタオルで擦る手は震えていた。 本当に緊張しているようだ。 ……ち、ちくしょう なんなんだ、何がどうなってるんだ。 今日のアリス……可愛すぎる。 「…………」 「…………」 正直、互いが互いを意識してしまって それでも、アリスはたどたどしい手つきで 汚れが洗い流した。 「あなたの背中、大きいわね……」 「え? あの…アリス?」 両手が俺の肩にかけられ、彼女の頭が軽く俺の背中に当てられる。 「……それにすごく温かい……」 ヤバい。 コレはグッと来た。 つーかこれはヤバい。 俺は彼女を襲ってしまいそうでヤバいし。 彼女は俺の背中になんかウットリしてヤバいし。 誰か……誰か、俺と彼女を止めてくれ! 「( ^ ▽^)ノ マスター!」 ガラガラガラガラガラ!! 「∑( ○ _ ○)ノ ……!」 風呂場の扉を開いてメカアリスが入ってきた。 瞬時に、メカアリスは硬直し赤面 一方、乙女アリスは 「……ッ、あなた……!」 殺人アリスへと変身する ……殺意の対象は人ではないけれど。 「(ノシ //// Д///)ノシ ァゥゥ…オリジナル、大胆スギルヨォ…」 「あ……あなた……」 「ε=( //// Д///)≡З プシュー……(エラー中)……」 「……?」 「(あまりの事態に)エラー中みたいだな、少し待ってあげてくれ」 そして、10秒ほど経つ 「( ^ ▽^)ノ ……(エラー修復完了)……復活ー♪」 「あなた、なにしに入ってきたのよ……!」 「( ° -^)b ア、ソウダッター……マスター マスター」 「どーした?」 いきなり入ってきたとはいえ、別にメカアリスは一緒に風呂に入りにきたわけではない。 大方、食事の後にセットした自動改造プログラムが終わったことを報告しに来ただけなのだろう。 「( ^ ▽ )ノ 防水改造 終オワッタヨー」 ・ ・ ・ ……え? 頭をガツンと殴られたような衝撃がアリスを襲った。 防水改造が終わったって言うことは、水が大丈夫になったと言うことで…… ただ一つあったはずのアドバンテージすらも完膚なきなまでに打ち崩された。 どうやっても、なにをやっても……私はこの機械人形には勝てない。 「…………」 ねぇ……○○ じゃあ……私は……もうイラナイの? この子に、防水改造をして一緒にお風呂に入るつもりだったの? あなたは……私のこと、なんとも思ってないの? 「ごめん、私…もう帰るわ……」 これ以上いたら、泣いてしまう。 ・ ・ ・ 「アリス?」 「……っ」 「ちょ、おい! アリス!?」 そのままアリスは風呂から走り去って行ってしまった。 俺も、急ぎ風呂から上がるが……そこには、アリスはいない。 彼女が持ってきた大きな鞄も無くなっている。 「……あいつ、泣いてた………」 急ぎ、濡れた身体のまま、服を身につけ、靴を履く。 「( ・_・) ……マスター、ドコ 行クノー…?」 「すまねぇメカアリス、留守番を頼む! ちょっとアリスを探してくる!!」 「( σ _σ) ………」 「くそ…見つかりゃしない……」 突然出て行ってしまったアリスを探し、俺はひたすら走り回っていた。 アリスの家、魔理沙の家、博麗神社、紅魔館の図書館、香霖堂…… 彼女の行きそうなところは、すべて探しまわったがどこにも彼女はいない。 探し始めたときはまだ頭上で輝いていた太陽も、すでに沈み切り、周囲には妖魔が徘徊する気配が漂っていた。 「やべぇな……さすがに戻らねぇとマズイか?」 メカアリスについて来てもらったほうが良かったかもしれない、と考えたその時…… ゴォォォォオオオオオオ―――― 周囲に轟音が響き 「ε=⊂( ^ o^)⊃ マスタ~」 続いて、能天気そうな声が聞こえた。 ガシャコンッ!! メカアリスが俺の目の前に着陸する。 プシュー…! 着地と同時にメカアリスは機体内の排気と熱を放出。 俺は彼女に歩み寄る。 帰りが遅い俺を心配して迎えに来てくれたのだろうか? 「( ・ _・)ノシ マスター、マスター」 「どーした? メカアリス?」 「( ・ _・)ノ□ コレガ、ポストニー」 メカアリスから一通の手紙を手渡された。 簡素な無地の封筒には、アリス=マーガトロイドと記されている。 急いで封を開け、中の手紙を見ると……これまた無地の便箋が そして、その便箋にはたった2行の文章が奇麗な文体で書き記されていた。 ≪ ―――― 10日後の正午に、私の家の前にて待つわ……最後の決着をつけるわよ ―――― ―――― アリス=マーガトロイド ―――― ≫ 「アリスからの『決闘状』…?」 でも、最後ってどういうことだ……? 「( ・ _・)ノシ マスター、マスター」 「ん?」 「( ・ o・)ノ 今日ハ、モウ戻ッタ方ガイイト思ウ―」 メカアリスに言われて、周囲を見回してみる。 確かに……これ以上探索するとこっちが危ない。 いくらメカアリスがいるとはいえ、アリスと戦ったときに以降、彼女には武器の補充をしてない。 下手をすれば、メカアリスともどもやられる可能性がある。 「そうだな……明日、また探すか」 「( ^ _^)ノ ウン!」 そして、暗い森の中を一緒に歩いて帰る。 「……にしても、決闘状に届けにきたってことは 行き違いになっちまってたのか? 」 「( σ _σ) ……」 「アリスのやつ……どーしちまったんだろうな……」 「( σ _σ) 私ジャ ダメナノカナー……」 「何か言ったか? メカアリス」 「( ° ▽ °; ナ、ナンデモナイー」 ・ ・ ・ そして……10日後の正午―――― アリスの家の前に、俺とメカアリスはいた。 「……お待たせ、○○」 「……? どうしたんだ? やけに顔色悪いぞ?」 「……ちょっとね、でも大丈夫よ」 「ったく……あれから、ここ10日間必死で探したってのに全く見つかんないし ……何やってたんだよ、お前?」 「……別に、私が何をしようとあなたには関係ないでしょう?」 ……? なんだろう……今日のアリス、妙に冷たい。 「だいたい、最後の決着ってなんだよ? 俺はまだ、お前に一回しか勝ってないってのに」 「言葉どおりよ。今日で決闘は終わり……もう、あなたの代わりがいるから、あなたとの勝負もおしまい」 「……なんだって?」 「見るがいいわ……ここ10日間で作り上げた 私の最高傑作……」 アリスが片手を高く掲げ―――― 「出てきなさい ――――!!」 ――――その呼び声とともに森の木陰から、影が飛びだす。 「――――!?」 「( °_ °) ……!?」 現われたのは白馬人形に跨った一体の人形。 背丈は俺と同じくらいだろうか? 腰には、一振りの剣を携えているおり、背にはマントが その人形の姿を見て、メカアリスと俺は息を飲む。 「呼ンダカ、マスター?」 その人形は白馬人形からひらりと舞い降りアリスのすぐ横に立つ。 「は……?」 「∑( ○ o ○) ……!」 それは…… 「初メマシテ。オリジナルと、メカマスター」 俺とそっくりな顔をした人形だった。 ・ ・ ・ 「紹介するわ……これが○○人形。 私の、新しいパートナーよ」 完全自律人形とまではいかなかったけれど それでも、その自律性は他の人形とは比べ物にならない。 「あなたなんかより、何倍も 強くて 優しいの」 「………」 「( ○ o ○) ………」 ○○とメカアリスは言葉も出せないようだ。 ふふん……あまりの事態に言葉もないようね、○○。 ○○人形さえいれば、もうあなたなんて―――― 「白馬の王子様を待つお姫様に、憧れていたのかッッ!?」 盛大にコケる。 この反応は、文字通り想像の斜め上だった。 いや、驚く所はそこじゃないでしょ!! 「…う、うるさいわねっ! いいでしょそんなことっ!!」 しかも、何気に……そ、その核心突いてくるし! 確かに白馬の王子様にちょっとは……ほんのちょっとだけ憧れたりもしてるし その王子様が、○○だったらとか…… ああああ、もう、私何考えてるんだろう! せっかく、○○人形を作って○○のこと吹っ切ったつもりなのに…… 「\( ^ ▽^)ノ ナカマー!」 「ヨロシク頼ムナ、メカマスター」 しかも、○○人形と機械人形は 「って、そこ! 何、敵と交流を深めてるのよ!!」 「フフ……怒ラナイ 怒ラナイ。イイジャナイカ 挨拶クライ」 穏やかな物腰で、やんわりと私に 「あっ……」 私を抱き寄せる 「○○人形……」 「愛シテイルヨ、マスター」 安心させてくれる。 どうしようもないくらい鈍感な○○よりも…… まるで○○のように。 ……ああもう! どうして最後まで○○のことが頭から離れないのよ私ってば! 「今日は私は動かない……人形だけの勝負よ……」 「だそうだ……メカアリス、いいか?」 「\( ^ ▽^)ノ ウン!」 メカアリスはドールファンネルを展開させ 「〟〝 〟〝\( ^ ー )ノ〟〝 〟〝 負ケナイヨー!」 ○○人形は腰に携えていた剣を鞘からスラリと抜き構える。 「ソレハ、コチラの台詞ダ」 メカアリス VS ○○人形 ―――― ―――― o( ° ー )=○|==≫ ☆〟〝 〟〝 ○(*σ 。σ)o ―――― ―――― 戦闘開始!! ───────────────────────────────────────────────────────────
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アリス 成長率 HP MP 攻撃力 防御力 素早さ 6 6 6 6 6 習得スキル スキル名 習得SP 消費MP 属性 効果 \シャンハーイ/ 40 10 - 上海召喚 魔彩光のシャンハーイ人形 50 5 物 上海が全体攻撃 白亜の露西亜人形 60 10 - 味方全体HMP回復 ドールズウォー 70 20 魔 敵全体攻撃
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アリス 【場 所】室蘭市中島町 【交 通】道南バス「東通り」下車後徒歩3分ほど 【分 類】飲食店 カレー。辛さはお好みで調節可能。 辛さは番号で決められ、150番以上の辛さを注文すると、 記念にノートに一言書き残すことができる。 常に辛いものばかり食べ、通常の辛さを食したことのない人もいるとか。 コメント 名前 コメント
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AND ENDLESS 第22回公演 FANTASISTA 2004.8.19~8.24 紀伊国屋ホール 【キャスト】 カイン:西田大輔 モーリス:佐久間祐人 アリサ:田中良子 使 者:大森裕子 タキタ:田中覚 ローレン:岡崎司 トーイ:村田洋二郎 ノ キ:中川えりか ハット:濱田純司 ダマシッポス:加藤靖久/窪寺昭 シーザー:八巻正明 ミカエル:木村智早 黒 服:村田雅和 【あらすじ】
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魔法の森にあるマーガトロイド邸。 ここ数年は笑い声が絶えなかったこの家も、最近では幾分静かになった。 正午を過ぎて、けだるいような日差しが窓から差し込む中、 主が留守の間に上海人形が細かな用事をこなしている。 数年前と比べて、人形の数はだいぶ増えていた。 手入れが行き届いているため、昔からある人形でも古びて見えるなどということはない。 だが注意深く観察すれば、新しい人形には共通点があることがわかる。 最近数年間に作られた人形達は、皆どことなく製作者であるアリス・マーガトロイドの面影を備えているのだ。 アリスに生き写しというわけではない。そのように作るのは造作もないことであるはずなのに、そうではない。 具体的には半分ほど。眼、髪、顔つきなど個体差はあるが、人形一体一体のおよそ半分がアリスに似た要素で作られている。 さらに家の中をよく見渡し、テーブルの上に載った写真立てに気付いたならば、 人形達の残り半分の要素が、写真の中でアリスと並んで笑顔を見せている青年のものだと思い至るかもしれない。 写真立ての横には、一枚の手紙が広げられている。 読みにくいほど丸っこい文字で書かれたその手紙は、簡潔にまとめられた短いものだ。 『アリスちゃんへ 一度魔界へ帰っていらっしゃい。 アリスちゃんのやろうとしていることは上を目指せばきりがないし、 できあがるまでに身体を壊してしまうわ。 こう見えてもおかあさんはたくさんの魔界人を創造してきたから、 きっと力になれると思うの。 おかあさんより 』 整頓された人形作りの場は、いつもどおりに見える。 しかし、もし魔法への造詣が深い者が見れば、 置かれた素材のほとんどが強い魔力を備えた貴重な品々であることに驚くに違いない。 ―○○がその人生を終えてから、しばらく経った。 アリスと○○が一緒に暮らすようになって、何年かが過ぎた頃。 ○○は突然病に倒れた。決して病弱な方ではなかったが、人の生き死にというのはわからないものだ。 往診を繰り返していた永遠亭の薬師が、もはや彼の命を救う術がないことを伝えてから、 アリスは一日の殆どを○○のベッドの側で過ごすようになった。 せめて、両手で数えられなくなるぐらいの年を一緒に過ごしたかった。 ふとそんなことを思い、それがおかしくてつい自嘲の笑みを浮かべたくなる。 例え家中の人形を総動員して指折り数えるほどの年月を経たとしても、○○を失うことになったなら、 もっと長く一緒にいたかったと願うことだろう。 さっきまで苦しそうだった○○の息遣いは、ゆっくりと落ち着いたものになっている。 「……ねえ、○○。貴方は、幸せだったかしら?」 眠っている○○への、答えを求めない問いかけ。 「人間じゃない私には、貴方との子どもが生めなかったわ。 その代わりみたいに、たくさんの人形を作ったけれど」 時々○○にも手伝ってもらいながら、 アリスは自分と○○の両方に似せて人形を作った。 初めは無意識の内に、子を成すことができないとわかってからは意識して。 「大きくならずに、いつまでもそのままの人形に囲まれて、 貴方は不幸せじゃなかったかしら?」 ふわり、と髪がなでられる。 いつのまにか○○は目を覚ましていた。 「……幸せだったに、決まってるだろ」 ひどく穏やかな○○の顔つきは、もう終わりが近いことを知らせていた。 「幻想郷に来て、アリスに会って、こうして一緒に暮らして、俺はすごく幸せだったよ」 「……ありがと」 涙がこぼれそうになるのをこらえる。 そもそも命の長さが違う以上、いつかは必ず訪れる別れなのだ。 そう自分に言い聞かせて、涙をこらえようとした。 「ねえ、○○……」 「ん……アリス、泣かないで……」 こらえようとして、やはりこらえきれない涙を拭いて、 アリスは○○に呼びかけた。 「ずっとずっと側にいてほしいってお願いしたら、聞いてくれる? ずうっと、私の○○でいてくれる?」 ○○は、応えなかった。わずかに微笑んで、頷きかけたように見えたが、 その身体からはすぐに力が抜けた。 「……○○」 もはや涙は出なかった。代わりに、アリスの目には決意の光が宿っていた。 「今日はありがとう、魔理沙」 「ああ、あんまり根つめるなよ? 倒れちまったらできるできない以前の問題だからな」 出かけていたアリスが帰ってきた。 魔理沙の家で、お茶に呼ばれていたらしい。 箒でアリスを送ってきた魔理沙は心配そうな様子だったが、 やがて帰っていった。 「アリスー、オカエリー。マタスグハジメルー?」 「ただいま、上海。……そうね、先におかあさんに手紙の返事を書くわ」 「ハーイ、シタクスルネー」 アリスはテーブルに向かうと、上海人形が持ってきた便箋に流麗な字で手紙を書き始めた。 『おかあさんへ 気持ちは嬉しいけれど、もう少しここでがんばってみる。 私の愛する○○の、新しい身体だもの。ちゃんと私の手で作ってあげたいの。 なかなかうまくいかないけれど 』 ○○の命の灯が消えて、肉体を離れた彼の魂は冥界にも三途の川にも行かなかった。 アリスが持てる限りの力を使って、手近にあった作りかけの人形に封じ込めたのだ。 本来即席でできる魔法ではなく、しばらくアリスはベッドから動けなかった。 回復すると、アリスはさっそく○○の新しい身体を作りにかかった。 とっさに使った人形は、間に合わせの容れ物でしかない。 ○○の魂は、眠り続けている状態だ。 これまでと同じように、笑い、泣き、考え、動くことができる身体を自分の手で作る。 自らの人形作りの技を以ってそれをなすことが、如何に困難かわかっていても、 アリスの決心は揺るがなかった。 強力なマジックアイテムをかき集め、失敗を繰り返しながら、それでもあきらめなかった。 『 なかなかうまくいかないけれど、きっと完成させてみせる。 そのうち○○と二人で会いに 』 ―ふと思う。自分のしていることは、自己満足以上の意味を何も持たないのではないか。 死の間際、ずっと側にいてくれるかという問いに○○が頷いたのは、自らの願望が見せた錯覚だったのかもしれない。 人間としての命を全うして死を受け入れることが、○○の望みであり、在るべき形なのかもしれない。 それでも。 「―会いたいよ、○○」 もっと一緒にいたい。一緒に生きていたい。 作り物の、仮初めの命でも、ずっと一緒にいたい。 その思いが、アリスを突き動かしていた。 『 そのうち○○と二人で会いに行くから、楽しみにしていて。 心配してくれてありがとう。また手紙書きます。 アリス 』 それからしばらく時が過ぎた。 魔法の森上空を飛んでいた魔理沙は、眼下に二つの人影を見た。 一人はアリス。もう一人は。 「……完成させたな」 魔理沙は帽子を目深にかぶり直すと、少し微笑んで飛び去った。 「大丈夫?何ともない?」 「ああ、大丈夫。生身の頃と何一つ変わらないよ」 ○○が新しい身体で外に出るのは初めてだった。 心配そうなアリスと対照的に、○○はとても明るい。 その言葉通り、一見してただの人間だった頃と変わったところはない。 ようやく出来た身体に魂を移し○○が目覚めた時、 アリスは泣きながらすがりついて、二つの言葉をかけることしかできなかった。 ○○が帰ってきたことへの「おかえりなさい」と、死の向こうへ行くはずの○○を呼び戻してしまったことへの「ごめんなさい」。 「ただいま」 ○○がまず返したのはその一言だった。 「それと、ありがとう。……約束、守らせてくれて。ずっと側にいるって、守れない約束をしてしまったと思ってた」 またひとしきり泣くアリスを○○が抱き寄せ、そのまましばらく過ごした後、 二人は人形たちが用意してくれた紅茶を飲むことにした。 ―またいつもどおりの、二人の日常が帰ってきた。 「それにしても、本当にこの身体で良かったの?」 「え、何が?」 「だって細かいところを作り直せば空だって飛べるようになるし、 ちょっとしたものなら弾幕だってできるようになるわ。 でも○○、そういうのはいいっていうから」 確かに○○の身体の機能は、ただの人間と変わらない。 人形作りの技でそれを作ることは至高の業だが、それでもそのために使われた魔法の力を生かせば、 人間以上の力を持つのはそう難しくないはずだ。 ○○は改めて少し考えると、笑って首を横に振った。 「五感もちゃんとあるし、何よりずっとアリスと一緒に過ごすことができる。 やっぱり俺はそれだけで十分だよ。 ……あ、それともアリスは弾幕ができた方がいいか?」 「……ううん。私は、○○が○○であれば、それで幸せだわ」 お互いを支えるように寄り添う。 ―○○の新たな生が始まってから、まだそう時は経っていない。 だがこの先、それはアリスとともにずっと続いていく。 うpろだ1106 ─────────────────────────────────────────────────────────── コンコン ノックする音が聞こえる。 誰だろう。 今日は台風。 外は大風が吹き、風見鶏は猛烈な勢いで回っている。 そして大雨。 神社の石段は、滝のように水が流れていっている。 こんな日に外出するのは、 「この暴風雨は怪しいわ!」 と言って出かけていった、そこの神社の巫女だけだと思っていたんだが……。 「はーい」 考えていても仕方が無いので、鍵を外して戸を開ける。 ガラガラガラ そこには、ずぶ濡れのアリスがいた。 先日、俺が幻想郷に来て、何もわからず妖怪に襲われていたのを助けてくれた人。 その後、俺を神社へ連れていってくれた人。 今、こうして生活できるのは、この人がいるからといっても過言ではない。 「どうしたんだ? びしょ濡れじゃないか」 「あ……、うん。 ちょっと出かけたら雨に降られちゃって。今日このまま帰るのはきついから、一晩泊めてくれない?」 「――とりあえず、風呂に入った方がいいな。今、湯を沸かすから」 大急ぎで湯を沸かし、アリスに入らせる。 その間に、何か体の温まるものを、と思ったが、この家にミルクだのココアだのといった、気の利いたものがあるはずもない。 結局、先日霊夢に分けてもらった新茶を濃い目に注ぐ。 「ありがとう、助かったわ」 「ああ、今お茶でも入れるから――」 台所から部屋へ振り返る俺。 そこに立っていたアリスは、Yシャツのみだった。 ほんのり上気した肌と、洗い立ての白のコントラストが美しい。 恥ずかしそうに、シャツの裾を指に絡めるアリス。 だぶだぶのシャツでも、胸の双丘だけは控えめに主張している。 ――って。 「どわっ! ア、アリス! なんて格好してるんだ!」 「しょ、しょうがないじゃない! 下着までびしょ濡れで着れなかったんだから! そうしたら、脱衣所にこれがあったから……」 「……あー、すまん。着替えなんて考えてなかった。俺のミスだ」 「……別に謝らなくてもいいけど。押しかけたのは私なんだし」 沈黙。 それを破ったのは、第3者の声。 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 声はすれども姿は見えず。 でも、この声は確かに、いつもアリスが連れている人形。 「あー、なんだ、上海と蓬莱は?」 「今、お風呂場で服を洗ってもらってるわ。いつまでもこのままのわけにもいかないし」 「とりあえず、座ったらどうだ?」 「そうさせて貰うわ」 コトン 俺は、アリスの前にお茶を置いた。 そして、自分の湯呑みにも注ぐ。 「とりあえず、これ。多少は体が温まると思う。 夕食は?」 「もう、ここに来る前に摂ったわ。大丈夫」 両手で湯呑みを持って、ちびちびと飲むアリス。 シャツ1枚の姿とあいあまって、凄く可愛い。 直視できない。 目を背けると、大風で戸がガタガタと鳴った。 「雨、ひどそうだな」 「ええ。風も凄そうね」 そして。 寝るまでの時間。 俺とアリスは、取り留めのないことを喋りあった。 日々の出来事を表情豊かに話すアリスは、とても生き生きとしていた。 「そろそろ寝る時間だな」 「え、もう?」 いつの間にか、照明代わりの蝋燭が尽きかかっている。 相当な時間、話し込んでしまったようだ。 「俺、明日は香霖堂でバイトなんだよ。寝坊するわけにはいかないし、寝不足で行くのも失礼だ」 「そう、じゃ、仕方ないわね」 そこで、はた、と気がついた。 毛布、2人分、あったかな? まあ、1日くらい、なんとかなるだろう。 「アリス、そこのベッドを使ってくれ」 「でも、あなたはどうするの?」 「んー、まあ、上着でも適当に引っ被って寝ることにするさ」 「ダメ!」 何か着る物はないかと押入れを開けた俺に、後ろからアリスが抱きついてくる。 「アリス?」 「ダメ! もともと押しかけたのは私なんだし、そこまで迷惑かけるわけにはいかないわ!」 「でも、ベッドは1つしかないぜ。なら、ここは薄着のアリスが使った方が――」 「……一緒に、寝ましょう?」 爆弾発言。 一瞬、呆けそうになったが、気を取り直す。 「そういうわけにも行かないだろう? そもそも、若い男とうら若き乙女が一つ屋根の下、というだけでも異常事態なんだし」 「いいじゃない。その乙女が良いって言ってるんだから。 ……一緒にベッドに入ってくれるまで、この手は放さないからね」 やれやれだ。 結局、根負けした俺は、一緒に眠ることにした。 なんだかんだで疲れていたのか、アリスの暖かさに包まれた俺は、すぐに瞼が沈んでいった。 「少しくらい意識しなさいよね、バカ……」 夢の中で、アリスが何かつぶやいた。 翌朝。 まどろみの中で、小鳥の鳴き声がかすかに聞こえる。 「おはよう」 夢の中で、アリスが話しかけてくる。 そのまま、唇の距離が近くなって。 チュッ 柔らかい感触を感じた。 ああ、アリスが俺の家にいるはずがない。 これは、夢だな。 そう考えて、心地よい睡魔に身を委ねた。 しばらくして。 ジュー ジュー ベーコンエッグの香ばしい匂いが鼻をくすぐる。 そうだ、今日はバイトだっけ。 目を覚まして起き上がった俺の視野に入ってきたのは、 Yシャツにエプロンをつけて、料理をするアリスだった。 「上海、お塩取って」 「シャンハーイ」 そうか、昨日はアリスが泊まったんだったな。 そこに、ベッドの横から声が聞こえた。 「ホラーイ」 見ると、蓬莱人形が顔を真っ赤にしながら手を口に当てている。 あれ、アリスがいるということは、もしかしてさっきの……。 蓬莱に続いて顔を赤くする俺だった。 「あら、起きたの?」 蓬莱の声に気がついたのか、振り向くアリス。 シャツの裾がふわりと舞い上がる。 健康的な太ももが眩しい。 「朝食、作らさせてもらったわ」 「……ああ、ありがとう」 「ほんのお礼だから、気にしないで」 向かい合わせで朝食を摂る。 台風一過、雲ひとつない青空だ。 これなら、アリスの服もすぐに乾くだろう。 そんなことを考えているうちに、そろそろバイトの時間。 「じゃ、行ってくる。どうせ盗まれるようなものもないし、鍵開けて帰っちゃっていいから」 そう言って出る俺。 一時の、いい夢を見せてもらったな、と思った。 でも、夢はまだ終わらなかった。 バイトが終わって家に帰ってくると、明かりがついている。 はて、誰だろうか。 近くの巫女辺りが、また、たかりに来たのかもしれない。 最近はさらに賽銭の集まり具合が良くないとか言っていたし。 そう思いながら玄関を開けると、 そこには、朝と同じくYシャツにエプロン姿のアリスが。 「ご、ごはんにする? お風呂にする? そ、そそそそそれとも。わ・た・し?」 「……とりあえず、ただいま」 「お帰りなさい。それで――」 「ああ、2度言わなくていいから。 帰ったんじゃなかったのか?」 「まだ乾かないのよ。もう一晩泊めてもらえない?」 どういう生地だ。 そう思ったけれども、眼の前で俯いているアリスを放り出すほど、俺も鬼畜ではない。 「まあ、いいよ。 早速、夕食にするとするか」 「――ありがとう。 今日の夕ご飯も私の手作りよ。献立はね――」 そして夕食後。 朝と同じ、Yシャツにエプロンで皿洗いをするアリス。 本人曰く、「泊まらせてもらってるんだから、これくらいはしないと」 とのことだが。 鼻歌に体全体を揺らして、本当に楽しそうだ。 家事が一段落したところで、声をかける。 「なあ、アリス」 「なに?」 「なんで、昨日と同じ格好をしてるんだ?」 「し、失礼ね! 昨日と違って、ちゃんと下着は着てるわよ!」 「いや、あの、その……」 予想外だ。 こんな切り返しが来るとは。 言った本人も、恥ずかしそうに顔を伏せている。 「じゃ、じゃあ、私、お風呂入ってくるから!」 「あ、ああ……」 そして、就寝時刻まで、気まずい雰囲気が続く。 アリスは、顔を赤くしたまま、俺と目を合わせようとはしなかった。 「じゃあ、アリス、俺はそこら辺で寝るからベッドを使って――」 言い切る前にアリスの声が割り込む。 「ダメよ! 昨日も言ったけど、私が押しかけているんだから。 迷惑をかけるわけには行かないわ。 どうしても別々で寝ると言うのなら――」 「寝ると言うのなら?」 「ボコボコにされてから一緒に寝るのと、素直に一緒に寝るのとどっちがいい? って、聞かなきゃいけないわ」 目がマジだ。 こうして、この日も、Yシャツアリスと一緒に床についた。 アリスは、俺を強く抱きしめて、足を絡めてくる。 小さな、規則正しい息遣い。 布越しでも感じる、柔らかいもち肌。 「眠れるかー!」と思いつつも、 いつしか俺も、眠りについていった。 うpろだ1182 ───────────────────────────────────────────────────────────